日経BP社が主催するエンタープライズICTの総合イベント「ITpro EXPO 2008」。1月30日(水)から2月1日(金)の3日間に,その中心となる展示会が開催された。来場者数は6万41人。240社の出展,140セッションのフォーラムに加え,さまざまな実験企画や,製品/サービス・アワードなどの各種主催者企画を取りそろえ,これまでにないユニークな展示会となった。

 期間中,のべ70人を超える記者が会場を取材し,150本近いニュースを会場から速報した。しかし今からそれを全部読むことは難しいだろう。そこで,ITpro EXPO 2008の主な記事を抜粋して要所だけをまとめた「総集編」を作成した。フォーラム,展示会,主催者企画など,項目別にまとめたので,興味のあるところだけ拾い読みできるようにしてある。一部だけでも記事を読めば,6万人が来場したITpro EXPO 2008展示会の熱気を少しでも追体験することができるだろう。

展示会場:総勢240社の多彩な展示に圧倒

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 展示会場では,総勢240社が多彩な展示を繰り広げた。

 出展社の展示物に関するニュース速報で,最もよく読まれた記事は,GDX Japanの新型メール・サービス「GDX Trusted Platform」。台湾アスーステック・コンピューターが参考展示した,話題の低価格モバイル・ノートPC「Eee PC」のカラーバリエーション・モデルの記事や,NTTデータの業務アプリケーション向けJavaフレームワーク「TERASOLUNA Server Framework for Java 2.0.0.2」「TERASOLUNA Batch Framework for Java 2.0.0.1」の記事もアクセス数が多かった。

現在のメール・システムは限界,新型メール・サービスが登場
5万円ノート「Eee PC」の海外向けカラバリモデルを参考展示,国内モデルと使い比べも
NTTデータが業務アプリ向けフレームワークのデモを実施
“Bluetoothが無線LANを避けてゆく様子”がハッキリ---日本テクトロニクスが電波可視化製品をデモ
「無線LANより安全」---タムラ製作所がLEDを使った可視光通信のデモ

フォーラム:白熱したICTパネル討論会

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 ITpro EXPO 2008展示会では,140セッションに及ぶフォーラムも同時開催。初日の基調講演に慶應義塾大学 グローバルセキュリティ研究所 所長兼教授の竹中平蔵氏が登壇するなど,それぞれ盛り上がりを見せた。

 中でも,エンタープライズ・サーバー,エンタープライズ・モバイル,ネットの世界の3分野で,それぞれの分野に詳しい企業のキーパーソンが討論を戦わせた「ICTパネル討論会」では,2008年動向からさらに先の将来像などの話題が飛び出し,評判も高かった。

ICTパネル討論会「エンタープライズ・サーバーの本命は何か」
KDDIのスマートフォンは08年度後半に登場? 白熱した法人向けモバイル討論会
ICTパネル討論会「Web2.0の次に来るものは?」
「“税金”を使うだけのIT部門では改革できない」,CIOオブ・ザ・イヤーのオムロン樋口氏が基調講演
「ビジネスとITの融合は個人に依存せず,組織で実現すべき」と大和証券グループ本社の中村CIO
どのテクノロジを追求するか,それはトップに聞け──米GartnerのPeter Sondergaard氏
Hyper-Vで「ダイナミック・データセンター」が実現する,米MSの開発担当者
「Web2.0で急増した脅威にはSaaS型対策が有効」,米Trend Microバイスプレジデント
米インテルのローリー・ワイグル担当部長が明かす,インテルの環境対策4つの柱
「ITで企業のトランスフォーメーションをリードする」,日本HPの小出社長
「攻めのIT投資こそが『変革』をもたらす」,NTTデータの山下社長が講演
「日本には“二つのネットワーク”以外すべてある」──シスコ日本法人新社長がエール
「エンタープライズ・マッシュアップで変化に強い会社を作れ」──アクセンチュアの程社長

ICタグ付き入場パス/会場内ワンセグ配信:先進的な2つのICT実験

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 ITpro EXPO 2008はICTの実験場でもあった。「ICタグ付き入場パス」と「ワンセグ配信」の2つである。

 今回,ほぼ全入場者にICタグ付き入場パスを配布。来場者は,フォーラムや主催者企画に参加することによってポイントが付与され,ポイントラリーに参加することができた。100ポイントがたまると豪華景品が当たるチャンスがある抽選が行えた。3日間で,延べ8186人が抽選に参加した。

 一方のワンセグ配信は,展示会場内限定の映像配信実験である。無線基地局の実験免許を取得し,エリア限定で展示会の見どころや講演の内容を配信した。会期中配信した番組は40番組に上った。

好評だったポイントラリー,ICタグを使った新しいイベントの形が見えた
日立など4社,「ワンセグ・トライアル」で放送システムを参考出展