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イー・モバイルのHSDPA7.2M実力診断実測は2M超を記録,測定場所と時間帯で実効速度に大きな差
出典:日経コミュニケーション 2008年1月15日号
20ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります) 国内最速となるモバイル・データ通信サービスが登場した。イー・モバイルは2007年12月に伝送速度が下り最大7.2Mビット/秒のデータ通信サービスを開始。従来の最大3.6Mビット/秒のサービスからどれくらい速くなっているのか。7.2Mビット/秒対応のデータ通信端末「D02HW」を使い実効速度を検証した。 イー・モバイルは2007年12月,国内のHSDPA(high speed downlink packet access)サービスとしては初めて下り最大7.2Mビット/秒の伝送速度に対応したサービスを開始した。HSDPAサービスはNTTドコモとソフトバンクモバイルも提供中だが,両社のサービスは今のところ下り最大3.6Mビット/秒の伝送速度にとどまる。 2007年12月のサービス開始時点で7.2Mビット/秒に対応する端末は,中国ファーウエイ・テクノロジーズ製のUSB接続型データ通信端末「D02HW」の1機種のみ。従来の端末では7.2Mビット/秒のサービスを受けられないため,既存ユーザーは新たに対応端末の買い増しが必要になる。 7.2Mビット/秒のサービスを提供するには基地局側の対応も必要となる。当初は同社が展開しているエリアの中から首都圏,名古屋,京阪神,札幌,仙台,広島,福岡など人口密度の高い場所から対応する計画である。 伝送速度が上がっても料金は従来と同じ。月額5980円の定額サービス「データプラン」や,データ転送量に応じた2段階料金制である「ライトデータプラン」などが利用できる。継続利用契約などの割引サービスを組み合わせると,月額2480円からサービスを受けることが可能だ。上り最大伝送速度は384kビット/秒で従来と変わらない。 場所と時間による差が大きい今回検証したのは,7.2Mビット/秒に対応したD02HWと,従来機である3.6Mビット/秒対応のD01HWの2機種(写真1)。本体の色合いが若干違う以外は,サイズも重さもまったく同じである。 速度測定は,本誌2007年5月15日号や2007年11月1日号で計測した方法に合わせて,新宿西口付近,六本木の東京ミッドタウン,東京駅丸の内口(以下丸の内)の3カ所で実施。1Mバイトのファイルをインターネット接続事業者であるDTI(ドリーム・トレイン・インターネット)のFTPサイトにアップロード/ダウンロードする際の速度を昼夜に分けて測定した(表1)。
結果はD02HWが新宿西口で,D01HWの2倍近い速度となる約2.3Mビット/秒を記録するなど,すべての測定地点と時間帯において,D01HWの下り速度を上回った。 通常のWebサイトの表示では両機種の違いはあまり体感できなかったが,例えば地図サイト上で位置の移動に伴って再描画される際など,D02HWの方が速いことを実感できた。 ただし7.2Mビット/秒対応機と3.6Mビット/秒対応機の違い以上に,場所や時間帯によって速度の差が大きく出ることが判明した。 例えば丸の内では,昼夜平均で下り937kビット/秒程度しか出なかったのに対し,六本木では昼夜平均下り1884kビット/秒と,2倍以上の速さを記録した。また,時間帯による違いでは,新宿西口と丸の内は夜間の方が昼間の2倍近く速かった。 一般に無線通信は,電波の状況や同時利用ユーザー数で実効速度が大きく変わる。イー・モバイルによると,「同時に多くのユーザーが使用しているエリアがあれば実効速度は低下する。時間帯によって速度に違いが出るのはこのため」と説明する。新宿と丸の内に関しては,日中に利用していたユーザーが多かったからだと考えられる。「新宿西口には大手量販店があり,店頭でイー・モバイル端末のデモを実施している。その関係上,店舗の営業時間内は実効速度が落ちる傾向にある」(同)。 測定場所による違いについては,「場所ごとに電波の飛び方には違いが出る。そのため実効速度に差が出る可能性がある」とイー・モバイルは説明。実効速度がふるわなかった丸の内は,ビル群が立ち並んでいる影響もあり,電波の伝搬が他の測定場所よりも悪かったことが考えられる。 加入者数急増が実効速度に影響同社の加入者数が増えたことによって,以前に比べて全体的に実効速度が低下していることも判明した。 今回の7.2Mビット/秒対応機の計測結果を見ると,2007年5月上旬時点の3.6Mビット/秒対応機の実効速度とほぼ同じになっている。ネットワークは高速化したものの,加入者数の増加などによる影響があり,伝送速度のアップ分が相殺された格好だ。 本誌が2007年5月上旬に同社の3.6Mビット/秒対応データ通信カード「D01NE」をテストした時は,900k〜1.9Mビット/秒近い下り実効速度を記録した(表1右段)。しかし,今回検証した3.6Mビット/秒対応機の下り実効速度は,600k〜1.4Mビット/秒にとどまった(表1中段)。 同社の加入者数は2007年4月末時点で約3万だったが,2007年11月中旬には16万超と5倍以上に増えた。イー・モバイルは「固定のブロードバンド回線代わりに利用する加入者も増えている。加入者数増加の影響による速度低下は確かにある」という。 パソコン向け定額通信サービスはNTTドコモやKDDIも開始しているが,利用に制約があることや料金面・速度面で,イー・モバイルのサービスの方が割安感がある。ただし,今後同社の加入者数がさらに増えれば,実効速度が今以上に低下することもあり得る。イー・モバイルは,「エリアごとのトラフィックを見ながら,随時基地局を増強し,安定した通信サービスを提供していきたい」と説明する。 CD-ROM不要のセットアップが便利なおD02HWは,外観こそD01HWとほとんど変わらないものの,便利な機能が新たに加わった。パソコンにD02HW本体を接続するだけで,ドライバーや接続ソフトが自動的にインストールされる機能だ(写真2)。D02HWは,ソフト類を保存したストレージを本体に内蔵している。それがパソコン接続時にマウントされ,インストーラが自動起動する。
本体に光学ドライブを内蔵しないモバイル用ノート・パソコンは多い。CD-ROMを使わずにドライバーや接続ソフトをインストールできるこの機能は重宝しそうだ。 連載新着連載目次へ >>
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