2007年末,2.5GHz帯を使って無線ブロードバンドを全国規模で展開する事業者2社が決まった。2.5GHz帯を巡る議論はこれで終わりに見えるが,地域規模で細分化して割り当てる「地域バンド」がまだ残っている。総務省は今春にも地域バンドの免許申請の受付を開始。モバイルWiMAXの事業化を狙うケーブルテレビ事業者などが,この帯域の免許に申請する。

 モバイルWiMAXによる無線ブロードバンド通信で,デジタルデバイドを解消する──。そんなサービスを可能にする周波数割り当てが着々と進んでいる。総務省が近日中にも,2.5GHz帯地域バンドの事業免許(特定基地局の開設計画の認定)への申請を受け付け始めるのだ。

 2.5GHz帯地域バンドとは,2575M~2595MHzのうちの10MHz幅のこと。複数の事業者が同じ帯域の周波数を使うものの,基地局を離して設置することで相互の干渉を防ぎ,各市町村単位に閉じたサービスを実現する。1月23日時点で総務省は免許申請の募集時期を明らかにしていないが,「今春にも申請募集が始まり,初夏に第1弾の免許交付が決まるのでは」(あるメーカー関係者)との見方が強い(図1)。

図1●2.5GHz帯地域バンドの割り当て議論が2008年春~夏に進む
図1●2.5GHz帯地域バンドの割り当て議論が2008年春~夏に進む
主にケーブルテレビ事業者が免許獲得を狙っている。地域に閉じた移動通信サービスへの利用が検討されているほか,デジタルデバイド対策や医療,福祉といった公共サービスへの活用も期待されている。
[画像のクリックで拡大表示]

CATV事業者約40社が申請見込み

 この帯域でサービスを目指すのが,各市町村に密着したケーブルテレビ(CATV)事業者。ケーブルとは別の無線インフラを手にすることをもくろむ。関係者によると,およそ40社のCATV事業者が申請しそうだという。

 これとは別に,NTT東西地域会社やKDDI,ソフトバンクBBなどの固定通信事業者が取得に乗り出す可能性もある。固定通信事業者はモバイルWiMAXを手に入れられればアクセス回線の種類を増やせる。コスト面で有利と見れば,取得に動くだろう。

 現在は,地域バンドへの申請予定者と,2.5GHz帯免許を取得したウィルコムとワイヤレスブロードバンド企画(WBB企画)が,基地局間干渉を回避するために調整している段階だ。

 実は地域バンドの周波数は,ウィルコムとWBB企画の帯域に挟まれている。異なる事業者が同じビルの屋上など近接した場所に基地局を設置すると,互いに干渉する可能性がある。これを防ぐため,協議のうえ干渉対策の方法を決める。これが一通り決着次第,総務省が免許申請の受付を始める。

 地域で無線ブロードバンドが始まれば,企業ユーザーは地方部での貴重なバックアップ用アクセス回線として期待できそうだ。