SNSはどんなふうに始まったの?

(イラスト・アニメーション:岸本ムサシ)

  今回の回答者:
片山 正業
ミクシィ
mixi事業部 事業部長

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス,またはソーシャル・ネットワーキング・サイト)と銘打ったサービスの先駆けと言われるのは,2003年に米国でスタートした「Friendster」です。もっとも,SNSに近いコンセプトのサービスは,さらに以前から存在していました。当初は米国を中心に人気が出ましたが,一部の日本人が英語版のサービスに参加するなどして,次第に国内でもSNSが知られるようになりました。

 当社でmixiの開発を検討し始めたのは2003年秋ごろのことです。現在のCTO,バタラ・ケスマが「最近,留学生の間ではやっているSNSを開発してみたい」と提案したのがきっかけです。

 SNSに明確な定義はありませんが,当社では「現実社会の人間関係をインターネット上に反映するもの」と考えます。既存ユーザーから招かれないとサービスを利用できない「招待制」を採るのは,この考えが根底にあるためです。SNSの醍醐味は,現実の友人と交流を深めたり,友人の友人と知り合ったりできるコミュニケーション機能でしょう。そのため,mixiでは日記やコミュニティ,メッセージなどユーザー間のやりとりを促進する機能を充実させてきました。

 招待制の一番初め,つまり社内でmixiを開発していたころは,バタラCTOが他の社員を,さらに社員が友人たちを招待することでユーザーを増やしていきました。mixiのサービスを正式に開始した2004年3月時点でのユーザー数は約600人でしたが,2007年1月の段階では約800万人に達しています。

 常にユーザーの声を反映したサービスであるために,今も必要に応じて機能を追加しています。サイトで「ベータ版」という表示を外さないのはそのためです。今後もサービスを進化させていくという宣言のようなものですね。