丸山さんはBP商事にシステム担当要員として採用された“自称”システム管理者である。友人である進藤さんの助けを借りて,BP商事のシステム運用にチャレンジしている。新規事業の立ち上げに向けて,丸山さんは,サーバーの追加やActive Directoryの導入といった業務をこなしてきた。そんなある日,大忙しの鈴木社長に呼びとめられた。
鈴木:丸ちゃん,今度雇うアルバイトのことを聞いているかな?
丸山:ええっと,新規事業のデータ入力とかのバイトの件ですね。
鈴木:そうじゃ,その件なのじゃが,ちょっと人数が増えてな,交代要員を入れたら30~40人ぐらいになりそうなんじゃ…。
丸山:え~っ,そんなにですか。
鈴木:システム側の対応も頼むぞ。アルバイトの総括は山田君になるから,アルバイトに関することはシステム上でも山田君が管理できるように,考えてくれたまえ。それに,アルバイトが入力するデータには個人情報や機密情報も含まれるから,セキュリティのことも考慮して。あっ,それに,10月の新規事業部の独立時に,システムを切り分けしやすくして,スムーズにできるようにも考えてくれ(図1)。それから……それから…。
図1●BP商事のサーバー構成と課題 |
丸山:は,はい…(そんなに一気に言われても)。
鈴木:じゃ,たのんだぞ。おっ,時間が…得意先にいってくるぞ(ダッ!)。
丸山:いってらっ…(ひぃ~,次から次と,またまた難題を…)。
またもや,鈴木社長から難題を突きつけられた丸山さん。例のごとく,進藤さんに相談した。