この連載の主人公である丸山さんは,10月からBP商事にシステム担当要員として採用された若手の“自称”システム管理者である。ところが丸山さんには,サーバーなど全社的なシステムの構築や運用管理の実務経験がまったくなかった。
そんな丸山さんに入社早々,鈴木社長からサーバー導入の指示が。だが,当の丸山さんは「いきなり言われても,どうしたらいいのか…」と,とても頼りない状態だ。まずはサーバー機を導入して既存の環境を移行することが,丸山さんの最初の仕事になる(図1)。
図1●丸山さんは新サーバーを導入し,これまで使っていた簡易サーバーから情報を移行することが最初の仕事だ [画像のクリックで拡大表示] |
丸山さんが入社して,しばらくたったある日,いよいよ社長が注文していたサーバー・マシンが到着した。
サーバー・マシンがついに到着
山田:おっ,来た来た,新マシン!
丸山:えっ,もう来たの(早過ぎるよ~,まだ勉強中なのに)。
山田:早速,入れて動かして見ましょうよ。(ガサガサ)うわーっ,さすがサーバー,重たいな~。
丸山:勝手に触らないでよ。まだ,勉強中だから…(あっ,しまった!)。
山田:えっ?勉強中?
丸山:いえ…あの,勝手に触られると,あとでわかんなくなるでしょ。まず計画をきちんと立ててから。
山田:ええ~っ,面倒くさ~。
丸山:社長から「山田には触らすな,あいつは自分の趣味でいじるからな!」と念押しされているしね。
山田:僕には触らせてくれないの?
丸山:そういうことになるわね…。
山田:そんなこと言わずに,管理者の権限をくださいよ…。
丸山:ダメ(譲ってあげたいけど)…。さあ,得意先を回る時間よ。
山田:じゃあ,行ってきま~す!
丸山さんは,何かとつきまとう山田君が外出した隙にサーバーをセットアップしてしまおうと考えた。Windows Server 2003をインストールするのは初めての丸山さん。自信はないが,現役SEである友人の進藤さんに事前に教えてもらったポイントを注意しながら,マニュアルを見てWindows Server 2003をインストールしてみた。
その後,社内ネットワークへの接続も確認し,ファイル共有やプリンタ共有などのサービスも立ち上げた。これらの作業はウィザードに答えるだけなので,初心者の丸山さんでも思ったより簡単に作業を進められた。