展示会場の入口ゲートをくぐると,すぐ左前方に見えるのが,展示会の目玉企画の一つ「データセンター・ショーケース」だ。我々はITpro EXPO 2008の主催者展示を企画するにあたり,ICTの最先端技術を目で見て,実際に触って実感できるものを提供したいと考えた。そこで象徴的なキーワードとして挙がったのが,「データセンター」である。

 データセンター内では,膨大なデータが蓄積・転送・処理されている。つまり,大容量のストレージ,高速なネットワーク,高速な処理システムが24時間365日フル稼働している。そんな過酷でクリティカルな条件を克服するための最先端技術が,データセンターには詰まっているのだ。

3テーマにのべ10社が参加,実機デモやパネルを展示

 具体的には,以下の3つのテーマ(ホットステージ)をピックアップした。それは,ブレードサーバー,グリーンIT,ネットワークである(表1)。

表1●3つのホットステージの概要と出展企業
ホットステージ 概要 参加予定企業
ブレードサーバー・
ホットステージ
耐障害性や拡張性,運用管理のしやすさを,実機に電源を入れて展示するほか,各社のブレードの特徴を実感できるパネルを展示 NEC,日本HP,日本IBM,日立製作所,富士通
グリーンIT
ホットステージ
水冷ラック/水冷ワークステーション,データセンター内の温度分布シミュレーションなどをデモ展示するほか,グリーンITの技術と最新動向を解説したパネルを展示 APCジャパン,日本HP,日立製作所
ネットワーク・
ホットステージ
回線の2重化や,ネットワーク仮想化技術による耐障害性の高さをデモ展示 KDDI,シスコ

 ブレードサーバーは,単位体積当たりの処理能力を極限まで高めたコンピュータ・システムの代表格。1枚のボード上にプロセッサやメモリーなどを集積し,拡張性や可用性(耐障害性),運用性の高さを実感してほしい。

 グリーンITは,将来のITシステムで課題となる熱と消費電力の問題を,最先端のデータセンターではどのように解決しようとしているのか─。その取り組みを紹介する。

 ネットワーク・ホットステージの展示は2つある。一つは,ネットワーク回線を2重化し,片方が途切れても他方に即座に切り替えることで,止まらないシステム。もう一つは,ネットワーク/ストレージの仮想化技術とそれらを有機的に組み合わせるサービス・オーケストレーションである。

 また,これら3つのホットステージでは,システムに電源を入れて実際に稼働させた状態を見せるデモ展示のほか,図表などを使って詳細をわかりやすく説明するパネル展示もある。さらには,展示スペース横に配置したミニシアターでは,出展社によるプレゼンテーションも予定している。