新技術やトレンドが登場するたびに生まれるキーワード。しかし,キーワードの意味や本質が正しく理解されているとは限りません。そこで,既に定着したり過去に話題になった重要キーワードを選び,その意味やシステムに実装するときの方法論などに関する問題を作成しました。誤解や誤認識がないか,ぜひ確認してみてください。

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【問題1】キーワード「Webサービス」
Webサービスの標準化されたインタフェース(WSDL),言語(XML),プロトコル(SOAP)が,企業の情報システムにもたらす影響の内容として,正しいものはどれですか。

A)今後はこれらの新しい標準を使わないと,外部のシステムと連携できなくなるため,企業はシステムを改修する必要に迫られる
B)これらの標準を適用することにより,他のシステムとの相互運用が容易となり,自社のIT資産を外部にサービスとして公開したり,外部のサービスを利用できるようになる
C)これらの標準を用いれば,データ構造を整備しなくても,他のシステムとのインタフェースを簡単に構築できるようになる
D)これらの標準に対応するソフトウエアなどは特定のベンダーだけが提供しているため,広く普及するとは考えにくい


【問題2】キーワード「SOA」
SOA(Service Oriented Architecture)の本質や特徴に関する記述として,正しいものはどれですか。

A)SOAは組織やプロセスの見直しとは関係なく,既存のシステムやインフラを見直すことができるという長所がある。このアーキテクチャを使うことで,老朽化したシステムを容易に再構築することができる
B)SOAにより,ビジネスプロセスはアプリケーションから切り離され,業務サービスとして利用することが可能となる。これにより,ユーザーはアプリケーションを意識することなく,シームレスな業務サービスを利用できるようになる
C)SOAは全体最適(全社規模での最適化)を志向しているが,現実的には部門などの組織を単位として,個別にガバナンスを考えないと失敗する
D)SOAは,従来から言われてきたソフトウエアの部品化をWebテクノロジによって実現するものである。そのためアプリケーション内部の部品連携の仕組みは変わるものの,ビジネス的な効果は期待できない


【問題3】キーワード「SOA」
企業がSOAを導入する際に留意すべきポイントとして,正しいものはどれですか。

A)SOA導入を成功させるためには,企業全体でのSOA化の初期からトップダウンで全てのサービスを切り出し,業務担当者に利用させるよう,働きかけることが重要だ
B)業務プロセスをモデル化する担当者と,Webサービスを開発する担当者は,SOA化の初期から厳密に分けるべきである
C)SOA化を徹底しようとしても,通常はサービス化できない機能が残り,SOA化されない既存システムとの整合性を考慮しなければならない
D)SOA化によるサービスの利用を促進するには,ビジネス・レベル,アプリケーション・レベル,サブルーチン・レベルという具合に,サービスを階層別に定義し,用途に応じて使い分けられるようにすべきである


【問題4】キーワード「仮想化」
仮想化技術の特徴に関する記述として,正しいものはどれですか。

A)仮想化はハイエンドの大型サーバーでしか実現できないため,かなり高コストとなる。しかし,多くのCPUやメモリーを積んでいるサーバーほど,サーバー内でのITインフラ資源(ここではCPUやメモリー)の再配置が容易になるため,ITインフラの柔軟性を高めることができる
B)仮想化を実現しても,ITインフラの利用率を人がモニタリングし,必要に応じてマニュアルで,システムへのITインフラ資源の割り当てを変更しなければならないため,運用効率はそれほど上がらない
C)仮想化によって,従来はシステムごとに調達していたサーバーやストレージといったITインフラ資源を共有化し,必要なときに必要な資源を必要なシステムへ割り振ることが可能となる
D)仮想化技術は,ITインフラ資源の効率的な利用,つまり利用効率の最大化を実現するものであり,障害時などの可用性を高める効果はない


【問題5】キーワード「グリーンIT」
いま世界では,エネルギー問題や,CO2削減を含む環境問題が大きな課題として取り上げられています。では,日本で消費される総電力量のうち,IT関連機器が占める割合は何パーセント程度でしょうか。

A)約0.3%
B)約1%
C)約3%
D)約5%


【問題6】キーワード「BCP(事業継続計画)」
「BCP(事業継続計画:Business Continuity Planning)」の説明として,最も適切なものはどれですか。

A)システムやネットワークの障害に備えて,ハードウエアを冗長化したり運用管理体制やツールを整備し,情報システムの停止時間を最小にすることで,業務の停止時間を最小限にとどめること
B)災害やテロなど非日常の甚大な被害に備えて,地理的に離れた場所でシステムやデータをバックアップし,情報システムの停止時間を最小にすることで,業務の停止時間を最小限にどどめること
C)災害やテロなど非日常の甚大な被害に備えて,情報システムを含む経営資産への被害を最小にすることで,中核となる事業・業務の停止を最小限にとどめること
D)災害やテロだけでなく,急激な経営環境の変化など,事業継続に甚大な影響を与えるあらゆるイベントに備えて,事業の健全な継続を図るための計画を立案すること


【問題7】キーワード「ユニファイド・コミュニケーション」
ユニファイド・コミュニケーションの意味や効果に関する記述として,正しいものはどれですか。

A)現在,別々の通信事業者によって構築されている固定電話網と携帯電話網をIP技術で統合し,柔軟性と経済性を高めた次世代の通信基盤のことである
B)企業内に存在する多種多様なシステムに,統一されたWebサービスのインタフェースを導入することにより,容易にシステム間の通信が行えるようにすることである
C)インスタント・メッセージなどセキュリティ上問題のあるコミュニケーション・ツールの利用を禁止し,企業内コミュニケーションの手段をルールによって統一することで,情報漏えいのリスクを低減することである
D)固定電話や携帯電話,メールやインスタント・メッセージなど,異なるコミュニケーションのメディアやデバイスを統合することで,コミュニケーションの遅延による業務プロセスの非効率を解消することができる


【問題8】キーワード「ネットワーク・セキュリティ」
最近では企業でも無線LANが広く使われるようになってきました。企業が社内に無線LANを導入する際のセキュリティ強化の実装プランとして,適切なものはどれですか(2つ選択)。

A)最も強度の高い暗号アルゴリズムであるAES(Advanced Encryption Standard)を,あらかじめ暗号キーを共有するPSK(Pre-Shared Key)方式で実装する
B)クライアント・パソコンの要件を考慮し,無線LANの暗号技術であるWPA(Wi-Fi Protected Access)またはWPA2(Wi-Fi Protected Access 2)に準拠した実装を行う
C)無線通信の最も標準的な暗号技術であるWEP(Wired Equivalent Privacy)を導入する
D)証明書ベースの認証を行う


【問題9】キーワード「オフショア開発」
最近では海外ベンダーの技術や人的リソースを活用したシステム開発,いわゆるオフショア開発が積極的に行われるようになりました。オフショア開発に関する記述として,正しいものはどれですか。

A)もともと日本には十分なスキルを持ったIT技術者が豊富にいるので,実はオフショア開発を積極的に活用する意味はない
B)オフショア開発を有効活用するためには,言葉の問題を克服することに加え,相手の文化などを理解したうえで,システム開発に関する共通のプロセスや標準を用意すべきだ
C)できるだけ開発コストを抑えるために,システム開発のすべて(要件定義から設計,開発,そしてテストまで)をオフショアで行うべきだ
D)オフショア開発の委託先として,プログラミングなどの技術力が高い国を選択すれば,開発標準などのルールを作らなくても,品質のばらつきが少なく,保守しやすいシステム構築が可能となる


【問題10】キーワード「ITIL」
ITサービス(ITが提供するサービス)の運用プロセス改善に「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」を活用する場合のメリットとして,「誤っているもの」はどれですか。

A)ITILでは,ITサービスに対して最適な運用プロセスが定義されているため,それを参考にして,運用プロセスの改善を容易に行うことができる
B)ITILでは,ITサービスを戦略,設計,移行といった領域に分類し,説明している。そのため利用者は,運用の改善が必要な箇所だけを選定して,早期効果(クイックウィン)を実現することができる
C)ITILでは,ITサービスにおいてビジネスの領域とテクノロジの領域をどう関連付けるべきか,その方向性が示されており,ビジネスに求められるITサービスを提供するために必要な要素を踏まえたうえで,運用プロセスの改善に取り組むことができる
D)ITILは,ITサービスマネジメントの領域でデファクトスタンダードとなりつつあり,それに沿った運用プロセスを設計することで,ビジネスのグローバル展開に伴うITサービス運用プロセスを展開しやすくなる


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