根底が崩れたNTTの中期経営戦略

中期経営戦略を発表してから約3年,NTTグループのNGN(次世代ネットワーク)が2008年3月に商用化へ突入する。ビジョンとして掲げた「2010年度までに光3000万回線」という目標は,「光2000万回線」へと下方修正。NTTのNGNは「フレッツの後継」と再定義された。2010年の日本の通信環境にかかわる根底が崩れ,それ以降のNTTの将来像が見えにくくなってきた。

第1回 2010年度FTTH2000万,現実路線へ 
第2回 分かりづらいフレッツとの違い 
第3回 NTT西がNGN構築をためらう理由 
第4回 NTTのNGNは規制面にも不安 


「ここが変だよNTT」--ユーザー企業128社の本音
 「企業ユーザーにとってNTT東西地域会社の事業やサービスは,どうあるべきか」──。総務省の認可により,業務範囲拡大を続けるNTT東西について,本誌は企業ユーザーへの意識調査を実施した。集まったのは,NTT東西だけでなくNTTグループ全体のサービス提供体制などへの不満や要望。企業ユーザーからの生の声に,NTTはどう応えていくのか。
第1回 サービスの"東西分離"に困惑するユーザー
第2回 ワンストップ化はうれしいけれど・・・
第3回 サービス名称/仕様は統一へ
第4回 新競争政策は何をもたらすか
第5回 アンケート調査の自由意見とその他回答を一挙公開

NTT,KDDI,ソフトバンクの決算総まくり
 主要通信事業者の2006年度通期決算を5回連載で総括する。前半2回分は,各グループの固定通信部門に着目。3回目以降は移動通信部門に焦点を当てる。固定通信事業で目立つのは,NTT東西地域会社の減収減益傾向。移動通信事業は,最大手のNTTドコモの成長が鈍化しており,ドコモからユーザーを奪える他の2社は成長の余地をまだ残す。
第1回 固定通信編(1)◆大幅リストラしても際立つNTT東西の減収減益
第2回 固定通信編(2)◆固定電話は5000万回線以下へ,IP系で埋まらぬ音声収入の穴
第3回 移動通信編(1)◆「年間純増500万」続き飽和感,業績はドコモだけ横ばい
第4回 移動通信編(2)◆MNPの純増一人勝ち続くKDDI,流出止まらぬドコモ
第5回 移動通信編(3)◆解約率,基地局数,ARPUの3社比較

NGNの潜在能力
 2008年3月に,NTTグループがNGN(次世代ネットワーク)の商用サービスをいよいよ開始する。しかし,企業のネットワーク担当者からは「NGNがまだよく分からない」という本音が聞こえてくる。NGNの導入は,企業ネットワークにどれほどの価値をもたらすのか。NGNフィールド・トライアルで実際にNGNを検証しているベンダーなどの声から,その潜在能力の一端を明らかにする。
NGNが持つ潜在能力とは
[品質保証]10メガ級の広帯域を安定利用
[セキュリティ]回線認証でVPN接続が手軽に
[網機能の開放]ユーザーのアプリから網を操作
BT副社長インタビュー「通信事業者からITサービス・プロバイダへ」