1位 “未熟な傑作マシン”だった「iPhone」,使ってみて初めて分かった実像
2位 イー・モバイルの「EM・ONE」を徹底検証!
3位 アイピーモバイルが携帯参入取りやめ,事業資金を集められず
4位 ソフトバンクも定額制には白旗? ドコモ新料金に初の「追随せず」
5位 ソフトバンクモバイルの新料金プランを既存プランと比較してみた
6位 携帯とIP電話間の通話が話し放題--ソフトバンクがこっそり?キャンペーン
7位 イー・モバイルがサービス開始,加入者は約2万で予想を超える
8位 「これが10年後のモバイル」,日本HPが未来予想図を発表
9位 ウィルコムが新定額料金プラン,ソフトバンクのWホワイト対抗
10位 2.5GHz帯事業参入を巡り公開討議,ソフトバンク孫社長がウィルコムとKDDI陣営の排除を主張
11位 905iは計10機種,「全部入り」6機種に「サイバーショット」「VIERA」も登場
12位 ウィルコムが「より携帯に近い」新スマートフォン発表
13位 ウィルコム,今夏にW-ZERO3新機種と東芝製の音声端末を発売
14位 NTT東がフレッツ障害の原因報告,ルーターが経路再計算しきれず
15位 首都圏の乗り物を1枚のICカードで,1500億円プロジェクトのPASMO始動
16位 ソフトバンクが携帯電話の割賦販売巡りトラブル,3件で無条件解約
17位 見た目は普通の携帯,でもWindows機――ドコモがスマートフォン2機種
18位 ソフトバンクモバイルが月額980円の「ホワイトプラン」発表
19位 イー・モバイルが携帯参入,3.6Mbpsの定額制データ通信を開始
20位 ドコモも端末の分割払い導入へ,905i以降の音声端末に適用
 
3月31日に量販店で催されたイー・モバイルの開業記念イベント
3月31日に量販店で催されたイー・モバイルの開業記念イベント
左から2番目がイー・モバイルの種野晴夫・代表取締役社長兼COO(当時)。ビックカメラ有楽町店本館のイベントにて

 なんとモバイルに関する話題が読まれていることか――。ネットワーク分野ニュースの年間アクセス・ランキングを集計した結果を見てほしい。左のランキング表の通り,上位20位のうちモバイル以外の話題は2本だけという集中ぶりなのだ。

 2007年は,ネットワーク分野で大きな話題になるニュースがモバイル系に多かったのは事実だろう。

 1位は,6月29日に米国で発売された「iPhone」の速報レビュー記事。1月に発表されて以来,日本でも大きな話題になった。直感的に使えるユーザー・インタフェースや美しいデザインなどによって携帯電話の新しい方向性を示し,国内ではまだ使えないにもかかわらず(からこそ?),ITpro読者の興味をかき立てた。

2007年の旬は新規事業者のニュース

 2位には3月31日に携帯電話のデータ通信サービスを始めたイー・モバイルの直前試用レポート,3位にはアイピーモバイルの迷走を示したニュースがランクインした。

 イー・モバイルは,HSDPA(high speed downlink packet access)方式を使って最大3.6Mビット/秒の高速データ通信サービスを提供。新規の携帯電話事業者のサービス開始は13年ぶりのこととなった。7位,19位にも関連ニュースがランクインし,現在では当初の2倍にあたる最大7.2Mビット/秒のサービスも提供している。

 4番手の携帯電話事業者としては,上位3社の背中は遠い。しかし新規事業者の立ち上げが成功したことは,今後への礎となりそうだ。

 一方のアイピーモバイルは,データ通信専業の事業者として,遅くとも2007年秋にはサービスを立ち上げているはずだった。しかし,資金繰りの悪化や相次ぐ主要株主の入れ替わりなどが続いた挙げ句,10月30日に一度もサービスを提供することなく破産申告するに至った。

 4位5位6位はソフトバンクモバイルの話題が占めた。月額980円のホワイトプランなど積極的な施策が功を奏し,2007年12月時点では5月~11月の7カ月連続で携帯電話の純増数トップに君臨するまでに成長した。

 1位~10位まで,主語にはNTTドコモとKDDI(au)という上位2事業者の名前が見当たらない。2007年は,2005年秋に携帯事業への新規参入の免許を受けたアイピーモバイルとイー・モバイル,ソフトバンクモバイルの3社が話題をけん引し,そして完全に明暗を分ける年になった。

 一方,国内で発売された端末では,NTTドコモの905iシリーズなどの発表会を伝えたニュースが11位,ウィルコムの3世代目になるスマートフォン「Advanced/W-ZERO3[es]」の発表が12位に入った。また,NTTドコモが2008年に発売予定の新型スマートフォン「F1100」「HT1100」を発表したニュースも17位にランクインした。

2007年もフレッツなどにトラブル

 モバイル以外のニュースで,最も上位を確保したのは,14位にランクインした「NTT東日本のフレッツなどのトラブル」。5月15日にNTT東日本エリアのうち14都道県で,フレッツ・サービスやひかり電話のサービスが使えなくなった。2006年9月と11月にもひかり電話に大規模なトラブルがあり,NTTグループの新ネットワーク・サービスの信頼性が揺らいだニュースだった。

 次いで15位には,「PASMO」始動のニュースが入った。首都圏の私鉄や地下鉄・バスなどで共通に使える電子マネー・サービスが3月18日に無事始動したニュースである。

NGN始動へ,緊急地震速報も始まる

 20位までのランキングには登場しなかったが,2007年のネットワーク分野のトピックスとしては,近づくNGN(次世代ネットワーク)の実用化や,緊急地震速報の一般提供も挙げられる。

 NGNは2006年12月にNTTグループがフィールド実験を開始し,そのデモスペースとして「NOTE(NGN Open Trial Exhibition)」を東京と大阪に開設した。2007年には,参加企業や規模を拡大しながら実験を進め,2008年の3月に商用サービスを開始するところまでこぎ着けた。

 10月には,緊急地震速報サービスの一般向け提供が始まった。地震が発生した際に,強い揺れが到達する前に警告を発するサービスである。法人利用のソリューションや,個人向けのサービスも始まったほか,携帯電話に向けたサービスもNTTドコモの905iシリーズから対応が始まっている。

■変更履歴
本文の第9段落に,「1位~6位まで,主語にはNTTドコモとKDDI(au)という上位2事業者の名前が見当たらない」とありましたが,正しくは「1位~10位まで」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/12/27 14:55]