ウイルス検出率とパフォーマンスが重要なのはもちろんだが、製品を選択する際には、「機能」と「サポート」にも注目しよう。例えば、今回取り上げた無料版のavast!とAVG Anti-Virusにはウイルス対策の機能しかない。そのほかのセキュリティ対策も1つの製品で済ませたい場合は、統合型製品を選択する必要がある。今回取り上げたこれら以外の製品は統合型製品。なおAVG Anti-Virusについては、有料の統合型製品も用意されている。
統合型製品が備える代表的な機能の一つがパーソナルファイアウオール(図1)。Windows XPやVistaには標準で「Windows ファイアウォール」が搭載されているが、統合型製品のファイアウオールでは、より細かな設定が可能。また、頻繁に警告を出さないようにしていることも最近の製品の特徴だ。信頼できるアプリケーションについてはあらかじめ登録されていて、いちいちユーザーに尋ねることなく通信を許可する製品が多い。
フィッシング詐欺対策機能を持つ製品も増えている(図2)。Webブラウザーと連携して、フィッシング詐欺サイトとして登録されているWebサイトへアクセスした場合に警告を表示する。
迷惑メール対策機能も統合型製品の一般的な機能の一つ。メールの内容や送信元などから総合的に判断し、迷惑メールと思われるメールを特定フォルダーに振り分けたり、メールの件名に「spam」といった文字列を追加したりする。同機能はフィッシング詐欺対策としても使える(図3)。フィッシング詐欺サイトへ誘導するような偽メールも迷惑メールとして検出するからだ。
図3●迷惑メール対策機能で詐欺メールを検出 迷惑メール対策機能を備える製品のほとんどは、商品やサービスを宣伝する広告メールだけではなく、フィッシング詐欺目的の偽メールも迷惑メールとして検出する。左はウイルスセキュリティZERO、右はウイルスバスター2008の設定画面。 [画像のクリックで拡大表示] |
ただし、ウイルス対策機能と同じように、詐欺対策機能についても過信は禁物。編集部でいくつかの製品を試したところ、既に報告されている詐欺サイトにアクセスしても、警告を出さないことが何度かあった。
そのほか、トレンドマイクロやマカフィーの製品には、検索結果に表示された危険なサイト(リンク)を警告する機能もある(図4)。