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3万人調査で分かったITエンジニアの実態

日経コンピュータ

第1回 総論---スキルレベルの平均は2.9,職種によって年収に大きな差

2008/01/11
井上 英明=日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2007年11月26日号  142ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 「コンサルタントとソフトウエア開発者の年収差はおよそ250万円」「やりがいは、スキルレベルの低い人が高い人より30ポイント以上落ちる」「上司が部下のスキルアップに熱心だと感じる人の8割がやりがいを持っている」ーー。IT人材のスキルや労働実態を研究する任意団体「ITスキル研究フォーラム(iSRF)」が、IT人材3万人から得た調査データからこうした実態が浮かび上がってきた。

 iSRFでは、2006年9月から2007年8月にかけて、企業単位にスキル診断を実施し、参加した2万7891人からデータを得た。加えて、2007年6月から7月までWebサイト上でスキル診断と労働環境に関する意識調査を実施。スキル診断には3443人が参加し、うち2218人が意識調査に回答。これらの合計3万1334人のデータを基に、IT人材のスキルと労働環境の実態を分析した。

スキル平均値が低かった運用管理

 まずスキル調査の結果から見ていこう。経済産業省が策定したITSS(ITスキル標準)を基に、レベル0(未経験)からレベル7(最上級)の8段階に分けたスキルレベルで調査した(図1)。その結果、システム開発に関する各職種の平均値は「コンサルタント」が3.5、「プロジェクトマネジメント」が同じく3.5と最も高く、次いで、企業のシステム全体の設計を担う「ITアーキテクト」の3.2だった。

図1●職種別に見たスキルレベルの分布
図1●職種別に見たスキルレベルの分布

 これら3つの職種のIT人材の平均像は“中級者”といえる。ITSSでは、レベル3〜4の人材を「ミドルレベル(自らスキルを駆使して課題を発見・解決できる)」と定義しており、これに相当する。一方、スキルレベルの平均値が低かったのは「オペレーション」の2.0。オペレーションは、運用管理に関する実務作業者を想定している。

 これに次いで低かったのが、運用管理の設計や企画を担う人材である「ITサービスマネジメント」の2.2だった。全体のスキルレベルの平均は2.9であり(図2)、これを0.7ポイントも下回った。ITSSでいう「エントリレベル」(上位レベルの指導の下で職務の課題を発見・解決する人)よりも、若干上に当たるレベルである。なお本調査では、ITSSにはないレベル0(未経験レベル)をエントリレベルに含めて集計・分析している。

図2●回答者のスキルレベル
図2●回答者のスキルレベル

 各職種におけるスキルレベルごとの年収を分析すると、職種によって大きな開きがある。おおまかにいえば、システム開発の上流工程を受け持つ人材では年収が高く、プログラム開発など下流工程を受け持つ人材は年収が低い(表1)。

表1●職種別、スキルレベル別の平均年収と平均年齢
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表1●職種別、スキルレベル別の平均年収と平均年齢

 システム開発に関する人材で見れば、経営戦略やIT戦略を助言するコンサルタントの年収が最も高い。ハイレベル(社内外でビジネスをリードできる)に入るレベル5では平均年収が919万円(44.2歳)、ミドルレベルのレベル3でも697万円(38.7歳)である。

 次いで、プロジェクトマネジメントのレベル5は888万円(43.6歳)、ITアーキテクトが860万円(41.9歳)と年収の高いグループに入っている。ITサービスマネジメントも、回答者が全体の0.1%未満のため参考値だが871万円(43.0歳)と高い。

 これに対し、個別のアプリケーションを開発するSEに相当する「アプリケーションスペシャリスト」や、ソフト開発を担当する「ソフトウエアデベロップメント」の年収は低い。

 アプリケーションスペシャリストのレベル5は平均年収が658万円(39.8歳)、ソフトウエアデベロップメントはほぼ同じ659万円(39.0歳)だ。コンサルタントと比べて250万円超の開きがある。レベル3でも同様の開きが出ている。

 なお、回答者の平均年収は550万円だった(図3)。

図3●回答者の年収
図3●回答者の年収

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