サービス統括部 企画1部トップページ企画 安田健志氏
サービス統括部 企画1部トップページ企画 安田健志氏

サービス統括部 開発部 堀邦明氏
サービス統括部 開発部 堀邦明氏

サービス統括部 制作部 制作1 ウェブデザイナー岡部和昌氏
サービス統括部 制作部 制作1 ウェブデザイナー岡部和昌氏

 ヤフーは2008年1月1日,Yahoo!Japanの新トップページを正式公開する。「1日に何度も訪れたくなるトップページ」を目指し,様々な角度から利便性の向上を図る。1996年4月のサービス開始以来,本格的なリニューアルは初めて。企画から1年半,β版の実装までに3カ月を要したプロジェクトの舞台裏について,ヤフー サービス統括部企画1部トップページ企画の安田健志氏と,同開発部の堀邦明氏,同制作部のウェブデザイナー岡部和昌氏に聞いた。(聞き手は矢野りん=ライター)

リニューアルに踏み切った理由は?

安田氏:サービス開始から10年間,米Yahoo!のページをローカライズして追加機能など拡張を加えつつ利用してきた。その結果,つぎはぎだらけのページになってしまった。競合他社のリニューアルなどもあり,時代に合った機能が必要だと考えた。

リニューアルのポイントを解説してほしい。

安田氏:コンセプトはポータルの進化だ。利便性の向上,情報の多様化,個人にひもづいた情報の掲載を目指す。

 利便性の向上は情報の整理から始めた。リサーチの結果,従来掲載していた60強のサービスの中で,ユーザーがよく利用するサービスは六つ程度であることがわかった。ニーズの実に10倍の情報が掲載されていることで使いにくくなっていた。

 そこでトップ画面,左端の「コンテントボックス」部分に「Yahoo!サービス」として,合計21のサービスから誘導率が高いと判断した上位16のサービスを選抜して掲載することにした。「お気に入り」はカスタマイズ可能な部分で,全サービスからよく使うサービスを五つ限定でここに掲載できる。「ピックアップ」は新規サービスが追加された場合や,自分の使っているサービスに更新があった場合にここに反映される。正式版の公開後は掲示板への書き込みやブログに投稿やトラックバックがあったことを示すアイコンを掲載する予定だ。

 情報の多様化はページ中央の「スポットライト」で実現を図る。見出しのテーマに関連する情報をこの枠に集める。例えばここが高校野球特集だとする。基本的にはYahoo!ドメイン内にある高校野球関連情報をピックアップするが,もし編集サイドがasahi.com内の記事のほうが優れていると判断すれば,アサヒコム側の見出しをこの枠に掲載することもあり得る。

 弊社のパートナーソリューション本部と連携してこの枠で取り上げるテーマの方向性をパートナー企業にあらかじめ伝え,パートナー企業側にコンテンツがあれば,掲載を検討する計画も進めている。

 さらに個人にひもづいた情報として「個人ボックス」を設けた。天気やカレンダー,占いを表示したり,ユーザーの好みのサービスを5件だけ表示するといった簡単なパーソナライズ機能を付けた。


来年1月1日のリニューアル後の新Yahoo!Japanトップページ(ベータ版)。2段組から3段組に変更し,検索窓を従来から170%拡大して目立たせる。レイアウト幅も広がり,余裕のあるデザインになる


リニューアル前のYahoo!Japanトップページ


「コンテントボックス」で「お気に入り」の設定をクリックすると,画面上でダイナミックにインタフェースがポップアップする


「個人ボックス」部分。将来的に友人の状態などを確認する機能も付ける予定だ。カレンダーは日本の休日が確認できてさりげなく便利