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IMの普及を妨げる日本人のDNA?
マイクロソフト 欧米では企業でのインスタント・メッセージの利用が進んでいるが、日本国内ではいまひとつというのが実情である。この背景には、日本人の行動特性があるのではないか。マイクロソフトではその行動特性を調査した。 相手のプレゼンスの把握とIMによる高速なコミュニケーションは、迅速な意思決定と生産性の向上を実現する。無駄を抑制し、効率よく相手とコミュニケーションを開始できるIMが、欧米で普及しているのに、なぜ日本では普及していないのだろうか。 日本のユーザーからは「常に状況を監視されているようで気が進まない」「オンライン中、頻繁にメッセージを受信するのでは仕事に集中できない」「電話と電子メールで十分」「利用するメリットがわからない」などのネガティブな意見を聞くことがある。 確かに、自らで「オンライン/連絡可能」と自発的に明示すると、「どんな連絡でも待ち構えている」「仕事に余裕がある」という風にとらわれてしまい、連絡が押し寄せるのではないかという不安はあると思う。また、シングル・バイトの英語などと異なり、変換が必要な日本語はタイピングに手間がかかることもあるだろう。 しかし、本当にそういったことだけで、日本企業はIMを導入しないのだろうか? 日本人の誇るべき繊細さマイクロソフトでは科学的なアプローチで日本人の特性を調べてみた。一昨年、某米国大学の人類工学の教授に協力してもらい、世界規模で人種による行動特性の違いについて調査を実施した。世界14カ国の18〜60歳の男女を対象に調査し、20以上の人種、2万人以上から回答を得た。たとえば、「コミュニケーションを開始する際に相手の状況(状態)が気になるか」という質問に対し、「強く思う」〜「まったくそう思わない」の9段階から選択してもらった。数百にも及ぶ調査項目のうち、「コミュニケーション」にかかわるものの中で、特筆すべき日本人の特性(=他人種との差異)は以下のものである。 (1)相手の気持ちを気にする繊細さがある この結果を見ると、日本で携帯メールが普及している理由が分かるような気がする。日本人は、相手の邪魔をしないように、相手が適切なタイミングで情報が取れるようにメールを好む。電車の中や会議中の通話は抑制し、親密度の高い相手には絵文字つきのメールを送る。 いやおうなしに受信するIMは「相手を邪魔したくない」「邪魔されたくない」というDNAを持つ日本人には、好ましくないツールであるように思われる。しかしながら、結果とスピード、部門を越えて効率的な意思疎通が求められるビジネス環境においては、メールや電話では十分とはいえない。不在の相手に何回も電話をかける、緊急を要するメールが埋もれて返事が来ない、といったコミュニケーション・ロスがたびたび発生するからだ。 導入の後押しをするものは何か2006年7月にマイクロソフトとECリサーチが共同で実施した調査では、予想外の結果を得た。20代から50代のビジネス・ワーカー11万人から無作為に抽出し717人から回答を得た(図1)。企業向けIMの導入率は9.1%と低かったものの、今後の導入検討は25%と予想以上に高かったのである。
IMが実現するリアルタイム・コミュニケーションの効果は理解されているように思われる。では、何が「導入の壁」になっているのか。何をすれば導入の後押しをできるのであろうか。 同じ調査で「IMの課題点」として、「セキュリティが不安」(33.8%)、「社員に普及しにくい」(18.5%)、「運用ルールの徹底が困難」(13.8%)という結果が出た。また、利用検討者の評価のポイントとしては、「操作の簡単さ」(36.9%)、「ランニングコストがかからない」(33.0%)という回答が上位を占めた。 この結果から分析すると、セキュリティの高さを備え、直感的操作で利用でき、企業のガバナンスが及ぶIMであれば受け入れられる、ということが分かる。 また、今後のIMの普及を考慮するうえで、忘れてはいけないのが、ヤング・ジェネレーションの存在である。 国内のMSNメッセンジャー(現Windows Live Messenger)のアクティブユーザーが477万人以上を超え、毎年100万以上増加している。その中心的なユーザーは10代や20代の若年者である。IMをプライベートで頻繁に利用しているジェネレーションは、将来的にビジネスでのIM利用を後押しする可能性が高いと思われる。 携帯電話、PC、インターネットなどのデジタル通信が急成長した時代に育ったこのジェネレーションは、電話の音声通話や、FAXよりもIMの方が快適であると感じるのではないだろうか。 若年者の方がタイピングに慣れているので、その点もハードルが低い。なにせ。携帯電話のタイピングで卒業論文を書く大学生がいるらしいのだから。 連載新着連載目次へ >>
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