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電通国際情報サービス「Coraleef」VBの資産を生かせ!Webアプリに簡単変換
出典:日経ソリューションビジネス2007年11月30日号
52ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
●Visual Basicなどの資産をWeb環境で活用させたい 従来型システムの資産をうまく生かしながら、Webベースの新しいシステムに移行できないかーー。電通国際情報サービス(ISID)がCADソフト会社エリジオンと共同開発した「Coraleef(コーラリーフ)」は、そんな発想から生まれた開発ツールだ。 Coraleefは、マイクロソフトのVisual Basic(VB)やボーランドのDelphiで作成したアプリケーションを、数秒でWebアプリケーション実行環境「Adobe Integrated Runtime(AIR)」の形式に変換する。つまり、クライアント/サーバー(C/S)システムというレガシー資産を、最新のWebアプリケーションに移行させるツールだ。 AIR自体は米アドビシステムズが開発した。OSに依存しないアプリケーション実行環境であるうえ、単体で実行できるのでWebブラウザも不要。HTMLやJavaScript、Flashなど“成熟”した技術を基盤にしているので柔軟性が高く、企業システムの技術基盤としても関心を集めている。 このAIRに注目したのが、ISIDの比嘉康雄Seasar2技術推進グループプロジェクトディレクターだ。比嘉ディレクターは、国産オープンソースのJava開発フレームワーク「Seasar2」の主要開発者として、オープンソースの世界では名が知れた人物である。 レガシーからの移行に着目
約1年前、比嘉ディレクターはISIDの新事業として、製造業向けデータ変換技術に強みを持つエリジオンとの協業を模索していた。その過程で、C/SシステムをWebベースのシステムへと移行を促すレガシーマイグレーションのビジネスに目を付けた。 VBやDelphiで開発されたC/Sシステムは、今も企業で広く使われている。ところが、米マイクロソフトはVBのサポートを2008年4月に打ち切る意向を示している。ボーランドもDelphiを含む事業部門を分社化しており、売却も取りざたされる。 「VBやDelphiのアプリケーションを使っている企業は、将来も安心して利用できるプラットフォームへ移行する必要性を感じている」。比嘉ディレクターはそう確信していた。そこでエリジオンと共同で、移行の橋渡しをするツールの開発に取りかかった。 とはいえ、こうしたツールは先行する製品がなく、全く手探りのプロジェクト。そこで開発に当たっては、一通りの工程を短いサイクルで繰り返していくアジャイル開発手法を採った。エリジオンの技術者らは1週間単位の開発サイクルを50回ほど繰り返し、画面の再現性を高め、コードの出力プロセスなどを作り込んだ。 こだわったのは、変換の手順を簡単にし、確実に効率よくWebアプリケーションへの移行を進められるようにすることだ。「思い切ってデータ処理などのロジックは変換対象から外し、対象を画面に絞った」(比嘉ディレクター)。 パソコンでもデータを処理していたC/Sシステムとは異なり、Webアプリケーションのデータ処理はサーバー側だけで行う。このため、データ処理のロジックをサーバー側で作り直す前提で設計したのだ。サーバー側で何をどう作り込むべきか判断しやすいように、このツールによる変換の過程を詳細なログに残すことによって“見える化”した。
さらに、出力されたAIRアプリケーションを新しいシステムに組み込みやすくした。エリジオンの内山シニアマネージャーは、「なるべくシンプルで使い回しをしやすいコードで出力するよう設計を工夫した」と振り返る。 途中で予想外の課題にも直面した。「当初は単に画面定義ファイルとデータ入出力の手続きを変換するだけで済むと考えていた」(エリジオンの内山マネージャー)が、Delphiでは複数の定義ファイルが連動していると判明したのだ。そこで、関連する複数のファイルをたどって変換するように動作の流れを変更するなど、紆余曲折を経てCoraleefは完成した。 Coraleefは11月1日に発売を開始してから、約1週間で数件の引き合いがあるなど、徐々に注目度が高まっている。Webアプリケーション環境の構築を支援することで、サーバー側のシステム構築を受注するチャンスがあることから、ISIDにとっても大きな可能性を秘めている。 比嘉ディレクターは「まだ最初の一歩にすぎない」と言う。ISIDはCoraleefの需要動向を見ながら、新たな橋渡し役となる変換ツールの開発も検討していく。
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