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梅田望夫×まつもとゆきひろ対談「ウェブ時代をひらく新しい仕事,新しい生き方」(前編)
まつもとゆきひろの起こした小さな奇跡――梅田望夫さんの新刊「ウェブ時代をゆく」には,「まつもとゆきひろの起こした小さな奇跡」という節があります。この本で何を伝えようとされ,なぜまつもとさんを紹介されたのでしょうか。 梅田 いま,インターネットの切り拓いた新しい時代というのが,我々の生き方にダイレクトに影響を及ぼしていこうとしています。時空を超えられる,いろんな人とつながれる,様々な可能性がある。それを見ないようにしている人もいるし,どっぷりと浸かっている人もいる。 そういったなかで,過去になかった生き方をしている人,エッジの立った人の生き方を見て次の時代の生き方を想像するというのかな。僕はシリコンバレーに来て13年になるんですが,シリコンバレーのビジョナリーと呼ばれる人は,Tim O'Reillyなんかもそうですが,水面に出てきたものを見てその氷山の形や大きさを想像するんです。それは外れてバカにされるかもしれないし,当たって賞賛されるかもしれない,そうしてリスクをとって未来を予想していく。 たとえば,オープンソースは,次の50年から100年というスパンで,とても大きなことになるのではないかと,数年前から思い始めています。インターネットという空間の中で,不特定多数の志向性を同じくする人たちが結びついて,金銭的な動機付けが存在しない中で,ものすごく複雑なソフトウエアが,価値が生まれる。僕はこれはとても大きなことだと思う。このことを,そうとう真剣に考えなければいけないという問題意識がある。 そんなウェブ進化の中から,どういう新しいタイプの人が出てきたかというと,本の中でも紹介しているんだけどLinus Torvaldsやまつもとゆきひろさん,将棋の里見香奈さん――里見さんもまつもとさんと同じ島根県出身なので,島根には何かあるんじゃないかと思ったりするのですが――など,こういった人たちはどういう共通点があるんだろうと考えると,好きなことと出合い,それをファースト・プライオリティにして,内からのうながしでそれに打ち込み,やり続けているところにあると思います。そういう人たちが自然に浮上してきて,なおかつ若いひとたちのあこがれの対象となっている。 アメリカにもヨーロッパにもそういう人たちはいるんだけど,特にまつもとさんは,海外ではなく日本にいる,身近な存在として若い人たちの一つのロールモデルとして意味のある大きな存在になっていると感じています。
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