ライバル企業と比べて、IT活用は進んでいるのか−−。経営層や利用部門から、こう聞かれたとき、CIO(最高情報責任者)やIT部員は、どう答えるだろうか。 個別の業務システムの機能なら、「全世界の在庫状況が日次で把握できるのは当社だけ」など、比較がしやすい。ところが、技術や製品の目利き力は勝っているか、競合他社を上回るIT投資の成果を得ているのか、経営層や利用部門と密な関係を築いているか、といった点は、そうはいかない。 「物差し」による比較がレベルアップにつながるIT部門の仕事の成果を客観的に提示する「物差し」があれば、他社と比べた強みや弱みを知ることができる。IT部門のレベルアップにもつながるし、経営層や利用部門に成果を客観的に説明するのにも役立つはずだ。 日経コンピュータはこう考え、ユーザー企業のITガバナンスがどの程度のレベルにあるのかを示す「企業のIT力」の算出に挑んだ。ユーザー企業にアンケート調査を実施し、各質問の重要性を加味した配点に従って回答結果を数値化する取り組みだ。 2006年に続き2回目となる今回は、「経営層との関係作り」「人材育成」「IT投資の管理」「ベンダー選定」「利用部門とのコミュニケーション」「先進技術の導入」「稼働しているシステムの機能」「セキュリティ管理・システム運用」という8つの視点で調査票を作成。日経リサーチの協力で上場企業・非上場有力企業2302社に送付し、2007年7月から9月にかけて、270社から有効回答を得た。 調査票のうち、意見を聞くものや全体の傾向の分析だけに使うものを除いた70の設問(副設問含む)について日経コンピュータ編集部が配点。さらに、本誌が主催する「システム部長会」の会員61人から寄せられた、質問項目の重要さに関する意見を配点に反映し、柱ごとにスコアを集計。偏差値を算出し、合計したものを再び偏差値化し、総合ランキングを出した。 トヨタ自動車やキヤノンなど「IT力」業種別トップの取り組み、総合首位となった松下電器産業に関するレポート、回答企業全270社のランキングは、日経コンピュータ2007年12月10日号に掲載している。ここでは、IT力の評価の軸となった8つの視点ごとのランキングと、トップ企業の具体的な取り組みを紹介していく。「IT力」総合ランキング上位100社分のデータも抄録として掲載した。自社のIT力を高めるための参考にしてもらえば幸いである。 上位企業のIT部門は、仕事の成果に胸を張るべき「企業においてITの重要性が増しているのに、相変わらずIT部門の地位は向上しない」。本特集の取材を通じて、記者は改めてこう実感した。IT力が高い結果となった上位企業のIT部門には、「当社のIT活用はライバル企業よりもこんなに進んでいる」と経営層や利用部門にアピールする材料として「企業のIT力」ランキングを活用してもらいたい。 最後になるが、調査に回答いただいた270社には、この場を借りて御礼を申し上げたい。 目次
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