図1●筆者が作成・公開しているWebサイト「RetroTube」。YouTubeにある懐メロの動画を検索できる
図1●筆者が作成・公開しているWebサイト「RetroTube」
YouTubeにある懐メロの動画を検索できる

 こんにちは,quill3です。筆者は,YouTubeから懐かしい動画を検索できる「RetroTube」というWebサイトを開発・公開しています*1図1)。

 本連載は,ほとんどCOBOL*2の経験しかないメインフレーム*3系の技術者である筆者が,試行錯誤しながらRubyを学び,Webプログラミングに挑戦する様子を自ら紹介するものです。

 今回は,サイトの公開に向けていろいろな機能を追加していく様子を紹介します。

じっくりと改良を加えていく方針に

 前回までで,システムを形づくる二つの大枠はすでに完成しています。「YouTube検索を一括処理するバッチ処理」の部分と,「ブラウザ上で指定された年代の動画を一覧表示するオンライン処理」の部分です。あとはこのシステムに,サイトの見栄えを向上させる“肉付け”をしていけばよいはずです。

 サイトの見栄えについては,気にいらない部分がたくさんありました。最も気になっていたのは,検索結果を一覧表示する画面です。現状の検索結果画面は,ただ縦に並べて表示しているだけ。ユーザーにとって見やすい形にはなっていません。加えて,サイトのトップページの格好悪さも気になりました。トップページはユーザーが最初に訪れる場所で,Webサイトの顔のような存在です。

 もともと,こうした「画面デザイン」を本気でやろうとすると,きっと大変に違いないとあたりをつけて,あとからじっくりと時間をかけて取り組むつもりでした。少し試してみると,想像以上に大変なことがわかりました。技術的にわからないことが多すぎて,とても1時間や2時間のやっつけ仕事で終わる気がしません。

 筆者は,少し不安を感じました。同時に,このプログラムを,作りかけのプラモデルのような状態で放置したくないという気持ちになりました。プライベートでの開発作業に対して「つらく苦しい」イメージを張り付けてしまい,中途半端な状態で終わりを迎えるのは何としても避けたいところです。自分のスキルと,開発に充てられる時間の都合に合わせて,つらくもなく,苦しくもないペースで開発を進めることにします。

 作業時間に割り当てたのは,平日の就寝前の数時間です。昼間はメインフレームの技術者として,夜間はWebアプリの開発者として,二重の生活を送りました。平日の日中は,職場の同僚たちと大勢でワイワイ言いながら仕事を進めます。帰宅したあとは自分一人だけの世界で,だれかにせっつかれるわけでもなく気楽に開発を続けます。

 一人の開発でつらかったのは,自力で解決できそうにない問題が発生したときに,だれにも相談できないことです。一方で,だれの指図も受けることなく自由に開発できる喜びもありました。ただし,昼間の業務に忙殺されて疲れている時期には,無理をせずに夜間の開発をやめるようにしました。