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ニュース解説

ダビング10方式の実現に暗雲,私的録画補償金制度を巡る議論が火種に

長谷川 博=日経ニューメディア 2007/11/20 日経ニューメディア

 地上デジタル放送の新たなコピー制御方式であるダビング10(コピーナインス)の実用化に暗雲が漂い始めた。背景にあるのは,動画コンテンツをデジタル方式で保存可能な記録媒体やデジタル機器の購入者にコンテンツの権利者への補償金の支払いを義務付ける「私的録画補償金制度」を巡る家電業界と権利者団体の対立である。

 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)や日本音楽著作権協会(JASRAC)など28団体が参加する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は2007年11月9日,家電メーカーの業界団体であるJEITA(電子情報技術産業協会)に公開質問状を同日に郵送すると発表した。この質問状は,JEITAが2007年10月に「私的録音録画問題に関する当協会の見解」を公表したことを受けて,権利者会議が作成したものだ。

 権利者会議に参加する権利者団体は,私的録画補償金制度の存続を事あるごとに訴えてきた。例えば2007年7月には,権利者団体は私的録画補償金制度の存続を前提にしたうえで,地上デジタル放送におけるダビング10方式の導入に同意しているという趣旨の緊急声明を発表した。私的録画補償金制度の見直しについては,文化庁の文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会が議論を進めており,小委員会は2007年10月にこれまでの意見を取りまとめた「中間整理」を公表した。JEITAはこの中間整理に対して,「制度の維持や対象機器の拡大を前提にしたような議論は問題」,「技術的にコピー制限されているデジタルコンテンツの複製は補償の対象にする必要がない」といった見解を示した。それに対して権利者団体側は今回の公開質問状において,ダビング10方式の導入は権利者に適切な対価を還元することが前提になっているとしたうえで,「(JEITAが)私的録画補償金制度を否定するプレスリリースを出したことはコピーワンスの見直しに関する合意を破棄するものと理解して構わないか」と問い質している。

 権利者団体とJEITAが私的録画補償金制度について折り合えない場合,地上デジタル放送におけるダビング10方式の採用が不透明になる。ダビング10方式による地上デジタル放送の開始時期が先延ばしになる場合,多くの人が同方式への対応品の登場を期待して地上デジタル放送チューナー内蔵レコーダーを買い控える恐れがある。2008年は北京五輪が開催されるため,HDTV(ハイビジョン)の中継番組を光ディスクに録画したいと考える人が地上デジタル放送チューナー内蔵レコーダーの購入を検討することになるが,ダビング10方式による地上デジタル放送の開始の遅れはこの動きに水を差しかねない。私的録画補償金制度を巡る争いの長期化は,地上デジタル放送チューナー内蔵レコーダーといった地上デジタル放送受信機の普及の障害になりそうだ。

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