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第2回 他業種のCO2削減に多大な貢献をするIT

富士通はSIやアウトソーシングにも拡大

 富士通も2004年から,富士通研究所が開発した「ソフト・サービス環境影響評価手法」を用いて,同社製品を対象に「環境貢献ソリューション」の認定に取り組んでいる。この評価手法では,ITソリューションの導入によって「物の消費量/移動量」「人の移動量」「オフィスや倉庫のスペース」「ITネットワーク機器による電力消費量」「ネットワークによるデータ通信量」の7つの環境負荷がどれだけ削減されたかを評価する。基本モデルによる評価の結果,導入後の削減効果が15%以上(CO2換算)となるITソリューションを「環境貢献ソリューション」として認定している。

 最近,「環境貢献ソリューション」に認定された製品例としては,「VBマイグレーション」サービスがある。これは,専用のツール(CoolCat for .NET)を用い,企業内に蓄積されているレガシーなMicrosoft VisualBasic資産を最新の.NET資産に移行支援するサービス。蓄積されている資産の分析から固有ロジックの組み込み,ソース変換,動作確認から移行後のサポートまで一貫したサービスを提供する(図4)。

図4●富士通が独自の基準による「環境貢献ソリューション」に認定した製品の1つ「VBマイグレーション」サービス<br>企業内に蓄積されているレガシーなMicrosoft VisualBasic資産を最新の.NET資産に移行支援する(資料提供:富士通)。
図4●富士通が独自の基準による「環境貢献ソリューション」に認定した製品の1つ「VBマイグレーション」サービス
企業内に蓄積されているレガシーなMicrosoft VisualBasic資産を最新の.NET資産に移行支援する(資料提供:富士通)。

 開発ステップ数2.5M規模のシステム構築においてCoolCat for .NETを導入したところ,ITネットワーク機器による電力消費量やオフィススペースを大幅に削減できたことから,導入前に比べてCO2排出量で88.2%の削減効果があったという(図5)。

図5●専用ツールの「CoolCat for .NET」を導入し,資産を移行したところ,従来に比べてCO2排出量を88.2%削減できた(資料提供:富士通)
図5●専用ツールの「CoolCat for .NET」を導入し,資産を移行したところ,従来に比べてCO2排出量を88.2%削減できた(資料提供:富士通)

 同社では,2004年度から現在までに82件のソリューション・パッケージ製品を「環境貢献ソリューション」として認定した。「今年度からは,システム・インテグレーションや,運用・アウトソーシング事業にも認定範囲を拡大していく」と,富士通研究所 基盤技術研究所 環境技術研究部 主任研究員の端谷隆文氏は意欲を見せる。

待たれる評価手法の標準化

 このようにITソリューションによる環境負荷削減効果を定量評価する取り組みは進んでいるが,各社の評価・認定基準は販売戦略とも相まって恣意的な面が否めない。そこで経済産業省では,ITソリューションの環境効率評価のガイドラインを作成し,評価手法の標準化を後押ししている。そこではITソリューションが提供する価値をどう定義し,適用範囲をどうするか,また環境負荷の算定範囲をどうするかについての目安となる基準を提案している。

 一方,総務省では,環境貢献するITソリューションの普及に向け,モデルケースの蓄積に乗り出している。2007年10月,ITを使ってCO2排出量を削減する事例,もしくはCO2排出量削減につながる情報通信技術の研究開発課題の募集を開始した。取り組み内容やそれによって削減できるCO2排出量に関する情報を集めて報告書にまとめ,今後の技術開発や企業における環境対策に役立てようという狙いがある(関連記事1)

 いずれにせよ,今後企業は,情報システムの構築などIT活用を導入する際には,業務効率の改善やコストなどと同様に,システムが環境にどのような影響を与えるかを必ず検討項目の一つにすることが求められるようになる。さらに一歩進んで,情報システム担当者には,企業が抱えている経営上の課題と環境面の問題とを,システム導入によっていかに同時に解決するかという踏み込んだ発想が必要だろう。

(高木 邦子=ITpro)  [2007/11/29]

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