ベンダー系資格の営業効果の結果は、製品シェアやパートナー企業に対する影響力の強さに左右されやすい。例えば営業効果を見ると、インフラ分野で圧倒的なシェアを持つ日本オラクルのデータベース製品とシスコのネットワーク機器向け資格が、4位までを独占している(表1)。

表1●営業効果の上位20資格と下位20資格(ベンダー系)
営業効果の上位20資格と下位20資格(ベンダー系)

 1位の「ORACLE MASTER Platinum(データベース)」と2位の「シスコ技術者認定資格エキスパート」(CCIE)は、いずれも資格取得者の知識レベルが最上級に位置付けられている。しかも、前年に比べてORACLE MASTER Platinum(データベース)は6ポイント、シスコのCCIEは8ポイントの伸びを示した。データベースやネットワークは、あらゆるシステムに欠かせないプラットフォームとなる製品。ユーザー企業の好調なIT投資を背景に、インフラ系の上級資格を持った技術者へのニーズが上昇していることが、こうした結果につながったと思われる。

 ちなみに、営業効果では前年比が「―」となっている資格が目立つが、これは昨年まで公的/非ベンダー系資格と合わせて上位20資格のランキングをまとめていたため。製品に依存したベンダー系資格は、公的/非ベンダー系資格に比べると評価が厳しくなる傾向にあり、昨年の結果では上位20位にランクインした資格が少なかったことによるものだ。

マイクロソフト認定が半数を占める

 このほかベンダー系の営業効果では、マイクロソフト認定資格の動きが目立った。上位20資格のうち、マイクロソフト認定資格が半数の10資格を占めている。マイクロソフト製品は、クライアントやサーバーOS、データベース製品、開発ツール、アプリケーションと扱う製品が幅広い。しかも、これら製品の普及が進んでいることから、マイクロソフトだけで多数の認定資格がランクインしたのは当然の結果と言える。

 ランクインした10資格の中でも、やはりインフラ系製品の営業効果が高い。ポイントは前年より下がったとはいえ、Windowsサーバーシステムの設計や構築にかかわる「マイクロソフト認定システムエンジニア」(MCSE)や、データベース製品に関連した「マイクロソフト認定データベースアドミニストレータ」(MCDBA)が上位に来た。

 また、企業のシステムはWebアプリケーションが主流になっている。こうした状況の中で、.NETを使ったアプリケーション開発の案件が増加している。さらに、ソリューションプロバイダでは最新版のクライアントOSであるWindows Vistaへの対応が急ピッチで進められている。これらの動きが、「マイクロソフト認定ソリューションデベロッパー」(MCSD)などインフラ系製品以外の資格でも、営業効果を押し上げる要因となったようだ。