Visual BasicやVisual C#といったマイクロソフトの開発ツールには,無料の「Express Edition」があります。ただ,Express Editionには,有料の上級製品が持っている様々な機能が欠けています。その一つがアイコンの作成機能です。アプリケーションを自作したら,やはり自分で考えた独自のアイコンを付けたいですね。そこで役立つのが,フリーのアイコン・エディタ「IcoFX」です。海外製のツールですが,設定を変更することにより,日本語表示も可能です(残念ながらヘルプ・ファイルは英語のままですが)。
このソフトの特徴は,Windows Vistaの「特大」アイコンの作成に対応している点です(図1)。Windows Vistaでは,256ドット×256ドットの特大アイコンをエクスプローラに表示できます。また,既存のEXEやDLLのファイルからアイコンを抽出する機能も便利です(図2)。
アイコンを作成するには,このツールに表示されるキャンバスにドットを打ち込んでいきます。細かいところが見にくい場合は,キャンバスの表示倍率を上げることができます。色調補正,輪郭検出,にじみ加工,エンボス加工などの簡単なフォトレタッチ機能も備えています。自分がデジカメで撮影した画像を取り込んで,レタッチしてアイコンに仕立てるといったことが簡単にできます。
アルファ・ブレンディングにも対応しており,アイコンの画像に透明度を設定できます。アルファ・ブレンディングを使ったアイコンはWindows XPから利用できます。デスクトップ上の画面の一部を切り取ってキャンバスに取り込むというユニークな機能もあります。壁紙の一部を切り取ったり,アプリケーションのウィンドウの一部を切り取って,アイコンの素材として使えるのです。
アイコンは,いわば「アプリケーションの顔」ともいえる部分です。ここをおろそかにしていると,いつまで経っても「素人っぽいアプリケーション」から抜け出せません。IcoFXは,本格的にアプリケーションを作りたいと考える方には必携のツールといえるでしょう。
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図1●IcoFXでアイコンを作成しているところ。Vistaの特大アイコンも作成可能 [画像のクリックで拡大表示] |
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図2●EXEやDLLからアイコンを取り出すこともできる |
IcoFX ジャンル:アイコン作成ツール 開発:Attila Kovrig氏 URL:http://icofx.xhost.ro/ |