|
|
今回は,システム開発のあらゆる場面で利用されるUMLを,Eclipse上で利用するためのプラグインを紹介します。
Webアプリケーション開発の現場では要件定義,設計,プログラミングといった様々なフェーズでUMLを利用します。例えば,複雑で抽象的な業務を図で表現したり,設計と製造といった異なる工程間での意識合わせの道具になったりします。今やUMLは,システム開発を円滑に行うために,欠かすことのできない技術と言っても過言ではありません。
現在,UMLを記述するためのツールは多々あります。Eclipseプラグインとしても様々なものが提供されています。Javaプログラミングの開発環境として利用されることの多いEclipseですが,プラグインを入れることにより,UMLモデリングを行う環境としても利用できるようになります。
AmaterasUML
最初に紹介する「AmaterasUML」は,Project Amaterasで開発されているプラグインです。主な機能は以下の通りです。
- 主なUML図の記述(クラス図,シーケンス図,アクティビティ図,ユースケース図)
- 画像として保存
- Javaクラスのフォワード/リバース・エンジニアリング
- XMI形式のエクスポート/インポート(拡張コンポーネント)
◆導入(インストール)
AmaterasUMLのWebサイトから入手できます(執筆時点の最新はAmaterasUML Version1.3.0)。入手したアーカイブを解凍してできたjarファイルを,Eclipseのプラグイン・フォルダにコピーします。
動作にはGEF(Graphical Editing Framework)が必要です。GEFは,連載第5回「Europa(Eclipse 3.3)の注目機能はこれだ!」で紹介した「Europa」ディスカバリー・サイトに登録されています。また,「Eclipse IDE for Java EE Developers」にはあらかじめ同梱されていますので,別途入手する必要はありません。
◆モデリング
まず,プロジェクトを作成します(メニュー[ファイル]→[新規]→[プロジェクト]で[Java]→[Javaのプロジェクト]を選択)。次に,[ファイル]→[新規]→[その他]で[AmaterasUML]→[クラス図]を選択して,クラス図を作成するためのファイル(ここではsample.cld)を作成します(図1)
図1●クラス図を作成するためのファイルを作る |
クラス図の作成は,パレットから追加したいエンティティを選んで配置し,関連の線でつないでいきます。モデルをダブルクリックするか,プロパティビューで名前や修飾子を編集できます。
属性・操作はエンティティの右クリックメニューから追加します。名前や修飾子の変更はモデル上をダブルクリックか,プロパティビューで行います(図2)。
図2●クラス図を作成しているところ |
関連の線には,プロパティビューで多重度が設定できるようになっています(図3)。
図3●多重度の設定 |
こうして作成したクラス図は,右クリックメニューの[画像として保存]でJPEGまたはBMP形式で保存可能です。