何を仮想化すべきで、何を仮想化すべきではないのか
出典:「Windows Server 2008テクノロジ入門」(日経BPソフトプレス 発行)
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります) 仮想化について、組織内にどのような方法で導入するのか、そして組織の環境や経営状態にとって何が最も有用なのかを理解することはとても重要である。意欲的に取り組んでいるユーザーや組織は、あらゆるものを仮想化するか、あるいは最も複雑なミドルウェア環境を仮想化するところから始めることが多いようだ。仮想化の最初の候補として何を選んでも特に良し悪しはないが、組織の環境において、あるいは対象の作業に対して仮想化がもたらす影響については、十分考慮する必要がある。仮想化の対象、適切な作業の選択方法、展開の順序、そして必要なハードウェア機能について検討する際は、最終的なソリューションの概念を表す1 つまたは複数のモデルを見つける必要がある。System Center 製品ファミリでは、こうした問題のいくつかを簡略化するためのツールセットが提供されている。また、HP 社など他のベンダーのソリューションでも、仮想化の候補と導入プロセスを決めた後に展開環境をサイジングする際に役立つツールが提供されている。 次に説明するのは、仮想化環境のサイジングに関するいくつかのベストプラクティスを明確にする手順である。これらを一連の手順として捉え、仮想化の対象となる作業を決め、展開スケジュールの概要を明らかにする際に役立ててほしい。
1. 評価どのようなプロジェクトにおいても、組織の環境の現状、および既に導入されている機能について十分に把握することから始める。最終的な目標は、推進力となる機能を設置または再装備することや、組織の環境で既に存在する機能へ投資することである。評価について考える際は、組織のインフラストラクチャに存在するすべてのコンポーネント、作業の種類、および各種の作業の相互依存性についての評価を検討する。また、インフラストラクチャに既に存在するすべての管理資産についても評価を実施し、それらが実行している機能(監視、展開、データ保護、セキュリティなど)を明らかにする。これらの項目は評価しやすいものであるが、より重要な評価項目として、組織に存在する全社的なプロセス規則や、現在の状況の変化への対応方法が挙げられる。これらの項目は数値化が難しいが、組織が持つ仮想化の展開能力を評価するうえでたいへん重要である。 全体的な観点からこの評価に役立つツールとして、マイクロソフトのInfrastructure Optimization Modelや、Gartner 社のIT Maturity Model などがある。かつて、ある顧客が私にこのように語ったことが忘れられない。「あなたが問題を特定できない、あるいは問題があると伝えたとき、その問題を解決するソリューションなら既にあると言われたら、運がよければ、既に組織で所有している別のパッケージにそのソリューションが含まれている可能性が高い」。
2. ソリューションのターゲット現在の環境の把握と評価を終えたら、次は、現在どの分野で仮想化を利用できるのかを明らかにする。現在のサーバー仮想化ソリューションは、次のような使用シナリオを提供している。
どの分野を仮想化ソリューションの対象とするかを決める場合、そのソリューションの複雑さの程度に留意し、管理ツールやプロセス規則のレベルを高める必要性について注意する。「テストおよび開発環境」は仮想化が最も容易であり、少々の問題が発生してもある程度のダウンタイムを確保できる場合が多い。したがって、誰にとってもこの分野から始めやすい。 仮想化技術の利用を始めるもう1 つの分野として、「サーバーの統合」がある。この分野では、ハードウェアの統合によって初期コストの低減という恩恵がもたらされるが、統合の真の価値が実感されるのは、統一された管理インフラストラクチャによるメリットが明らかになったときである。「ビジネスの継続性」と「ブランチオフィス」のシナリオでは、これらのソリューションの構築を促して本当の価値を実感するために管理インフラストラクチャを導入する必要があり、ここに示した特定のレベルのプロセスが必要になる。 「動的なデータセンター」は、ほとんどの顧客にとって完全な展開を行うには複雑なソリューションであり、通常は組織のインフラストラクチャのうち特定の一部分に適用する。この種のソリューションを必要とする作業を選択する際は、さらに注意が必要である。なぜなら、そうしたソリューションを維持するためのSLA(サービスレベルアグリーメント)を追加することは、その作業が組織にとって本当に重要度が高いことを意味するからである。
>>3. 統合の候補
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