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| 図4●ワーナーミュージック・ジャパンが考えた権限分離の例 アプリケーションの開発者とDB管理者が同じ担当者だったため,権限分離ができておらず,財務データの変更に気づけない恐れがあった。開発とDB管理のたすき掛けを考えたが,共通DBなどがあり,うまくいかなかった。そこで運用担当者へDB管理スキルを移転することで乗り切ることにした [画像のクリックで拡大表示] |
システム部員を増やす余裕はなかった。そこで藤野氏が当初考えたのが,“たすき掛け案”による権限の分離だった(図4(2))。たすき掛けとは,例えばA氏はシステム1の開発とデータベース2の管理を担当。逆にB氏は,システム2の開発とデータベース1の管理を手掛けるといったものだ。この方法についてガートナージャパンの松原氏は,「開発と運用が分離できていれば,たすき掛けは権限分離で有効な手段になる」と説明する。
藤野氏は5人の開発担当者をたすき掛けの考えで,アプリケーションごとに開発とDB管理に割り振っていった。しかし予想外の問題が発生した。「どれだけ工夫を凝らしてたすき掛けにしても,アプリケーション開発とDB管理が重なってしまう」(藤野氏)のだ。それは,複数のシステムから参照や更新される共通DBだった(図4(2'))。
たすき掛け案ではダメだと判断した藤野氏は,全アプリケーションのDB管理を運用担当者に任せようと考えた(図4(3))。5人の開発担当は開発案件が多いこともあり,開発に専念させることにした。ただしDB管理を任せるといっても,同社の運用担当者はハード寄りのスキルが中心なので,すぐにできるものではなかった。そこで藤野氏は,DB管理マニュアルを改めて作成した。
以前からDB管理のマニュアルは存在していたが,「あくまでも大まかな流れが書いてあるものだったので,読めば作業できるというものではなかった。今回作成したマニュアルは,履歴管理のバージョンの付け方まで説明した詳細なもの」(藤野氏)だという。このマニュアルにより,これまで属人的だったDB管理を標準化できた。異動や退職で担当者が変わっても,業務に支障がでない体制になったという。