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iPhoneの大ヒットを阻む、日進月歩のスマートフォン市場

2007/10/30 ITpro

安達一彦
インテリジェント ウェイブ
取締役会長


 普段はアメリカで仕事をしていますが、定期的に日本に戻り、打ち合わせや情報交換で人に会います。そんな時、しばしば話題に出るのが、Appleの携帯電話機「iPhone」です。日本の新聞やWebサイトにおいても、iPhoneは頻繁に取り上げられています。私も6月末の発売直後、iPhoneに触ってみて、その操作性を素晴らしいと思い、「iPhoneで活気づく米携帯市場、決済関連サービスもようやく開始」と題したコラムを書き、「今までの携帯電話のイメージを根本から変える画期的なもの」と評しました。

iPhoneがブレイクしない理由

 しかし、iPhoneの操作性がどれほど優れていても、ビジネスの結果は別です。アメリカに住んで見ている限り、日本で話題になっているほどには、iPhoneは売れていません。2カ月ちょっとで100万台を売ったと聞くと、日本市場においては大変な数に思われるのでしょうが、もともと700万台を売ると豪語していたわけですから、苦戦とまでは言わないまでも、大ヒットには至っていません。

 その理由の一つは、通信速度と価格です。iPhoneを買うと、通信会社としてAT&Tを選ばないといけませんが、GSMやGPRSといった旧世代の通信サービスしか使えないので通信速度がやや物足りません。そのわりにちょっと高い。Appleは9月5日、発売当時は599ドルしていた記憶容量8GバイトのiPhoneを399ドルで売ることを明らかにしました。200ドルも値下げをせざるを得なくなったわけですが、その後も爆発的には売れていないようです。

 もう一つの理由は、利用者の様子見です。まもなく登場すると言われている3G(第三世代)サービス対応のiPhoneを待つ人もいるでしょう。携帯電話機と携帯情報端末(PDA)を合体させた、iPhoneのような製品を「スマートフォン」と呼びますが、iPhone以外にも新製品が相次いで登場します。それらを見極めてから買う機種を決めようとしている、ビジネスパーソンも多いはずです。かくいう私もその一人です。

 iPhoneの登場が日本で衝撃的に受け止められたのは、スマートフォンの市場が日本になかなか出来ず、スマートフォン自体に馴染みが薄かったこともあるでしょう。日本においては、携帯電話そのものの機能が急速に高められたからです。これに対し、アメリカでは、iPhone登場以前から、様々なスマートフォンが市場に出回っていました。最も普及しているのは、カナダのResearch In Motion(RIM)が開発した「Blackberry」で、私も使っています。

iPhoneに“真似られた”Neo/OpenMoko

 新しいスマートフォンの中で注目されるものの一つは、OpenMokoというプロジェクトです。Linuxという基本ソフトを使って、スマートフォンとそこに情報を提供するサーバーシステムを作ろうという取り組みです。スマートフォンのハードウエアとして、台湾のパソコン大手FIC社が作る「Neo1973」が、7月からアプリケーション開発者向けに発売されました。300ドルでNeoを含む標準キットが買えます。スマートフォンについては、このところ、韓国勢にかわってFICのような台湾勢が頑張っています。パソコンの製造技術が生きるからでしょう。最初にWindowsMobile搭載のスマートフォンを開発したHTC社も台湾のメーカーでした。これからは台湾製のスマートフォンが世界を席捲するかもしれません。

 さて、Neoの売り物は、第三者の作ったアプリケーション・ソフトを搭載しやすいことです。現在ハードウエアはNeoしかありませんが、将来、OpenMoko(Linux)を使うほかのスマートフォンが発売されれば、Neo向けに作ったアプリケーションを容易に移植できるはずです。これは、スマートフォンの世界で、Linuxと同様の利点を実現しようという狙いです。Linuxはオープンソースと言われる、仕様が公開されているソフトで、世界のエンジニアがボランティアで開発に参加しており、様々なアプリケーション・ソフトが登場しています。主として、サーバーと呼ばれる大型のコンピューターで使われていますが、パソコンでも動きます。そしていよいよスマートフォンに移植されようとしているわけです。

 スマートフォン本体の機能や仕様と言う点を見ると、Neoのハードウエア仕様はiPhoneより先に発表されたこともあり、画面が小さいとかメモリーが少ないといったように、少しずつiPhoneより劣るようです。とはいえ、Neoの操作性、すなわちOpenMokoの操作性は、iPhoneはほとんど同じです。特に、二本の指で画面をタッチして操作する方法は、Neo/OpenMokoが先に発表していました。このため、iPhoneを作るにあたってAppleはNeo/OpenMokoを参考にしたのではないか、と指摘されています。どちらが先に考えたのかはともかく、これから出てくるスマートフォンは皆、同じような操作方法になるのではないでしょうか。となると、スマートフォンが成功するかどうかのカギは、操作性よりも、価格や通信サービスを含めた全体の価値次第と思われます。

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