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眠れないエンジニアのための「生体リズム学」

第1回 “眠れナイト”を過ごしていませんか?

2007/10/30 日経SYSTEMS

 「よく眠れない!」という悩みを持つ人は多いものです。眠りは,脳の疲労を回復するためのもの。ですから,眠れない夜つまり“眠れナイト”を過ごしていると,脳の疲労につながり,やがては身体の疲れがとれなくなるのです。このように寝られないことを「不眠症」と言います。

十分な睡眠時間は遺伝子で決まる

 不眠の訴えとして,「睡眠の時間が短い,一気に長く眠れない」があります。睡眠時間の長さは遺伝子で決まっています。ですから例えば「睡眠時間を努力して短くしよう」などと無謀なことを言う人がいますが,それは無理なことです。日本人は昔から眠り好きでした。今でも電車や会場などで暇さえあれば,セッセと眠っている人を見かけます。NHK放送文化研究所が行った「国民生活調査」によると,日本人の平均睡眠時間は,1960年には8.13時間だったのに,2005年は7.22時間。年々減少しています。つまり睡眠不足は文明病なのです。この点をしっかりと押さえておいてください。

 睡眠時間が5時間以内で十分な人を「ショート・スリーパー」と言います。このタイプは,バリバリ仕事量をこなす実務的な人になれます。英雄ナポレオンや猛烈なセールスパーソンなどがその代表例です。戦国時代の武芸者などもそうだったのでしょう。これに対して9時間以上寝ないと身体が持たない人を「ロング・スリーパー」と言います。このタイプなら,創造的・企画的な人になれます。企画部のビジネスパーソン,小説家,芸術家,学者向きです。ですから自分の睡眠のタイプを見て,職種を選択することをお勧めします。

 ちなみに私は,毎日9時間は寝る典型的なロング・スリーパーです。そんな私に対して,毎晩5時間の睡眠で済むショート・スリーパーの妻はこう言います。「暇さえあれば眠ってばかりいて!」と。ショート・スリーパーはロング・スリーパーを怠け者と思いがちなのです。だからショート・スリーパーの下では,ロング・スリーパーは働き難いのです。そんなとき,私は妻に「いや,寝ながら考えているんだ!」と弁解します。実はそれは医学的に証明されていることです。考えるにしても,寝つき・寝ながら・寝起きと3タイプあります。そのうちで一番良い考えが浮かぶのは,実は寝ながらなんです。

「睡眠の質が悪い」とは

 睡眠が浅くて困る,という人もいます。つまり眠りの質が悪いというのです。2002年の日本睡眠学会で発表された睡眠実態調査によると,「全体的な睡眠の質に満足している」と答えた人は何と43%で,半数以上が睡眠の質について何らかの不満を持っているそうです。

 睡眠の深さは,いったん寝ついてから一気に深くなります。この時期を睡眠の「ノンレム期」(深く眠っている時期)と言います。「ノン」とは無いと言う意味で,「レム」とは英語の「Rapid Eye Movement」のことです。寝入ってから約90分後になると,眠りは次第に浅くなります。このときには,まぶたの裏で目玉をキョロキョロと動かしていますが,まだ完全には目覚めてはいません。この時期を「レム期」(眠りが浅くなっている時期)と言います。このときには夢を見ています。これが睡眠の1サイクルです。

 睡眠時間が浅いと感じる人は,ノンレム睡眠が不十分なのです。睡眠対策は別の回でまとめてお話しましょう。

朝,スッキリと目覚めるには

 「朝,目覚めたときスッキリしないで不快感がある」「翌日,一日中気分が悪く仕事にならない」「疲れが慢性的にある」などという訴えもあります。睡眠のサイクルは1回が約90分ですから,それを5回繰り返せば450分(7時間半)ほどで目覚めます。このレム期に目覚めれば,たとえ90分の睡眠でも目覚めはスッキリします。逆にノンレム期に何かの拍子で起きてしまうと,目覚めは悪いのです。だからもし目覚まし時計をセットするなら,寝入ってから90分の整数倍の時間帯にしてください。ただし,毎朝目覚ましを使うようでは,目覚めは悪く健康にもよくありません。早寝早起きが生活リズムの基本です。早く寝れば,自然に朝早く目覚めます。

 不眠症の原因には色々とあります。(1)精神的なストレスが何時も頭から抜けない,(2)不眠に対しての不安と,過度のこだわりがある,(3)神経質,几帳面であるからささいなことが気になる,(4)身体に疾患がある(鼻閉,咳,関節痛,胃腸障害など),(5)精神科な疾患がある(神経症,精神病など),(6)薬物中断(睡眠薬の使用者が急に薬を中止したとき),(7)睡眠時に呼吸障害がある,などです。

 これらの原因のうちで,何と言っても多くて厄介なのが精神的なストレスです。文明生活とは,太陽が支配する自然の摂理に反して暮らすことです。たとえば朝,太陽にほとんど当たることなく地下鉄で職場に通い,ビルの人工照明の下で夜と無く昼と無く暮らす,という具合です。これが精神的なストレスを生み,不眠症につながるのです。

 あなたは“眠れナイト”をお過ごしでしょうか?

 そうなら何が原因でしょうか?

 この連載では「ITの職場で働く人の睡眠に関する様々な悩みを,生体リズムというアプローチで解消しよう」という趣旨でお話していく予定です。次回は「ITエンジニアの肥満,運動不足,不眠」についてお話しします。

田村 康二(たむら こうじ)
立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問 田村 康二氏 医師,医学博士。立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問。内科,循環器病,時間医学などが専門で,著書に「生体リズム健康法」(文藝春秋社),「健康安心ノート」(和泉書房)などがある

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