ジャンル:日記システム 作者:Raelian氏
ライセンス:独自 URL:http://www.din.or.jp/~raelian/ReadMeNicky.html

nicky!は,Web上に日記を掲載するためのCGIベースのソフトウエア。お絵描きアプレットに対応し,日記にWebブラウザ上で編集した自作の絵を挿入できる。携帯電話からのアクセスや管理も可能だ。

 nicky!は,Webサイト上に日記を掲載できるWebアプリケーションである(写真1)。Apache HTTP ServerなどのWebサーバーとCGI経由で連携して動作する。クライアントからは,Webブラウザを用いて掲示板のように書き込める。Webブラウザ上で画像を作成できる,いわゆる“お絵描きアプレット”にも対応し,簡単に絵を挿入できる。

写真1●お絵描きに対応した日記システム「nicky!」
写真1●お絵描きに対応した日記システム「nicky!」

 さらに,NTTドコモの携帯電話のiモード経由でも,日記の閲覧や登録が行える。拡張ツールを利用すれば削除などの作業も可能だ。

ApacheでCGIを使えるようにする

 nicky!を動かすためには,Webサーバーが必要になる。ここでは,多くのLinuxディストリビューションで標準採用されているApacheを利用して構築しよう。

 まずApacheがシステムに導入されているかどうかを確認する。Fedora Coreの場合は「# rpm -q httpd」,Debian GNU/Linuxの場合は「# dpkg -l apache2」と実行する。「not installed」「No package」といった表示が出たら,Apacheをインストールする*1。ちなみにopenSUSEの場合,確認や導入は管理ツールYaSTを使うとよい。

 次に,Apacheの設定ファイルを作成する。Apacheでは,CGIを実行するディレクトリの設定が必要になる。デフォルト(初期設定)では,cgi-binディレクトリだけが設定されていることが多い。

 そこで,nicky!を設置するディレクトリを新たに作成し,そのディレクトリの設定を追加しよう。

 ここでは,nicky!をドキュメント・ルート*以下のdiaryディレクトリに設置する。またドキュメント・ルートは,Fedora Coreのデフォルトである/var/www/htmlとして話を進める。ドキュメント・ルートが異なる場合はパスを置き換えて作業を進めてほしい。

 では,先に設定ファイルを作成しよう。設定ファイルは,図1の内容で作成し,表1に示した場所にnicky.confというファイル名で保存する。

図1●nicky!用の設定ファイル
図1●nicky!用の設定ファイル
1行目のパスは,nicky!を設置するディレクトリを指定する。

 これで,Apacheを再起動すると,設定が有効になる。Fedora Coreの場合は,次のコマンドで実行する。

$ su 
# /etc/init.d/httpd restart

nicky!を設置する

 Apacheの設定が完了したらnicky!を設置する。まず,nicky!を設置するディレクトリを作成する。

$ su
# cd /var/www/html
# mkdir -m 777 diary

 次に,nicky!をオフィシャル・サイトからダウンロードする。ダウンロードするのは「http://www.din.or.jp/~raelian/nicky.cg_」というファイルだ。作成したディレクトリに保存したら,ファイルの拡張子を「.cgi」に変更し,実行権限を与える。

# cd /var/www/html/diary
# cp (ファイルのあるディレクトリ)/nicky.cg_ nicky.cgi
# chmod +x nicky.cgi

 前述したように,nicky!ではお絵描きアプレットが利用できる。対応しているのは,「PaintBBS」と「お絵かきしぃペインター」である。表2のURLからPaintBBSとお絵かきしぃペインターをダウンロードするか,収録メディアにあるファイルを利用する。/var/www/html/diaryに保存したら,次のコマンドで展開して,jarファイルに実行権限を付加しておく。

# unzip pbbs222_8.zip
# unzip sptr1114.zip
# chmod +x *.jar

 展開中に上書きするかを聞かれたら,「A」と入力する。これで設置完了だ。