写真6 いたるところに改善活動を意識させる標語を掲示
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 車載通信機器などを製造・販売するヨコオが、日本での成功体験をもとに中国でトヨタ流改善を始めたのは2006年。その中心人物である多胡 一男氏に、取り組みの詳細をほぼリアルタイムでメルマガに寄稿してもらった。1年前の話ではあるが、現地に改善活動を根づかせるためには何が課題となるのかなど、中国で改善に取り組もうとする企業にとっては大いに参考になるだろう(日経情報ストラテジー編集部)。

多胡 一男
東莞友華汽車配件有限公司(ヨコオの中国法人) OJT-Sプロジェクト 経理担当


 皆さん、こんにちは。中国からの6回目となります。今回は赴任して半年ほど経ち、中国での休暇や日本に帰ってきたときの感想などをお伝えします。
(原文は2006年11月15日付け日経情報ストラテジー・メール)

■赴任生活

久しぶりの日本
 9月前半から約2週間、日本に一時帰国しました。成田空港から高速バスで群馬に帰り、夕方バスから降り立つと、ヨコオで10年来の仲間の出迎えを受け、早速駅前で旧交を温めて、家にたどり着いたときには日付が変わっていました。

 中国での活動報告のために富岡工場を訪問し、仲間たちが推進している日本でのOJT-S(トヨタ生産方式に基づく職場改善・人材育成)活動を見学し、様変わりした現場や取り組み範囲を拡大している「かんばん」を目のあたりにして、中国も負けてはいられないと痛感させられました。

香港
 9月初めに、香港へ銀行口座開設に行ってきました。海が近いせいかスコールに見舞われ、とても蒸し暑い日でした。香港は今では中国に返還されていますが、以前は英国領ということもあり、道行く人の服装も店内の雰囲気も普段生活している東莞(とんがん)とは格段の差があります。柄にもなくウィンドーショッピングなるものをしながら街を散策し、デパートでユニクロを発見して、思わずボタンダウンのシャツを1枚購入してしまいました。残念ながら東莞周辺ではボタンダウンは見かけません。

国慶節(10月1日)
 太陽暦の祝日で一番大きなものが10月1日の国慶節です。この日は日本の建国記念日にあたり、中国では10月1日から3日までが休みとなります。期間中は政府機関、学校、企業、各種公共団体などが祝賀活動を行います。この期間に連休を設定する企業も多く、多くの人々が故郷や行楽地に向け移動します。当社でも国慶節を連休に設定しており、赴任仲間に連れられ海南島へ行ってきました。海南島は四国とほぼ同じくらいの大きさの島で、ハワイより南に位置します。この時期でも十分海に入れるということなので勇んで出かけましたが、あいにくの台風の接近で海に入れたのは3時間ほどでした。ただ海の幸が豊富でカニやイカ、海老など新鮮な海鮮料理を堪能してきました。

旅のアドバイス
 中国へ来る場合は、会話文よりまず単語を覚えておいた方が便利です。「こんにちは」「ありがとう」などの挨拶はもちろんですが、「要る」「要らない」「ある」「ない」「いくら?」といった頻繁に使う単語は役立ちます。ただ、タクシーで行き先を告げるのはやはり難しいので、名刺やパンフレットで示すのが一番です。

 また、中国の公衆電話はカード式のため、初めての方はカードが購入できないと思います。日本で使っている携帯電話をローミングサービスで使えるようにするか、空港でレンタルするほうが確実です。電話はお守りなので、海外へ出るときは携行することを特に勧めます。

 中国に行かれた際にお役に立てれば幸いです。

 では、今回はこの辺で。


多胡 一男(たご かずお)
1981年、株式会社ヨコオ(車載通信機器・無線通信機器などの製造・販売)入社。2006年6月より同社中国工場である東莞友華汽車配件有限公司にてOJT-Sプロジェクト 経理担当。ヨコオでは、人事部門にて、人事システム革新テーマ等に取り組む。その後、車載通信機器生産部門責任者に就任。2004年には韓国での合弁会社の製造立ち上げ責任者として駐在。2005年からはOJT-Sプロジェクト(トヨタ生産方式に基づく職場改善・人材育成プロジェクト)に参画し、製造現場のものづくりシステム改善に取り組み、現在同社中国工場への展開で奮闘している。同社のWebサイトはこちら