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IT経営のトレンドを読む

人事施策の新潮流「エンゲージメント」、企業と組織の関係を見直して人材流出防止

杉山 泰一=日経情報ストラテジー 2007/10/19 日経情報ストラテジー

 若手社員の離職率の高さが問題視されて久しい。優秀な中堅社員の流動化も問題視され始めている。そこで「エンゲージメント」というキーワードに着目する人材コンサルティング会社が増えてきた。

 海外の人材開発手法の動向に詳しいヒューマンバリュー(東京・港区)の高間邦夫代表取締役は、「エンゲージメントは、組織と個人の双方の成長が貢献しあえる関係を意味する」と語る。1985年設立の同社は、人材開発・組織改革プログラムの開発支援事業を手がけており、大手自動車会社、大手生命保険会社、大手製薬会社、大手通信会社などをクライアントに持つ。

 エンゲージメントという言葉の定義は人によって若干ずれがあるが、組織に対する単純な「ロイヤルティー(忠誠心)」や「従業員満足度」とは違う意味で用いられる。単に、居心地がいい、給料がいい、といった従業員の満足感を必ずしもエンゲージメントは意味しない。個人が目指す成長の方向性と組織が目指す成長の方向性がどれだけ連動している関係なのかを表すとされる。「この会社にいると、自分が成長することができる」と思っている従業員が多ければ多いほど、その企業はエンゲージメントが高い組織作りができていることになる。そうした尺度のほうが、離職率や業績と高い相関性があるというのだ。

 高間氏によれば、米国で毎年開催される、世界最大級の人事イベント「ASTD国際カンファレンス&エキスポ」でもここ数年、「エンゲージメント」に関するカンファレンスは盛況だという。「米国企業では社員がすぐに会社を辞めてしまうことが大きな問題となっている。だから、エンゲージメントという概念が注目されている」(同氏)。ASTD(アメリカン・ソサイエティ・フォー・トレイニング・アンド・デベロップメント)は、1944年に米国で設立された非営利の人材開発手法研究団体である。現在では100カ国以上に支部を持つ。

大手企業が「らしさ」の気づきを促す用途に採用

 日本でも、終身雇用制度をやめて、成果主義型の報奨制度を導入し、短期的な業績成果を重視する企業が増える中、優秀な人材をどう引き留めるかが重要課題になってきた。優秀で上昇志向の強い人材ほど、目先の給料にとらわれず、キヤリアプランや自分らしい生き方を真剣に考え、より望みのかなう職場を求める傾向が強いと言われる。

 そこで、まずは「エンゲージメント・サーベイ」という社員の意識調査手法に取り組むコンサルタント会社が国内でも増加中だ。

 ヒューマンバリューでは『組織への適合感』『組織への貢献感』『組織の人たちとの仲間意識』の3分野に大別できる数十問の質問をイントラネットで実施。調査結果を通じて、「その人がどうありたいのか」「仕事に対してどのような指向性を持っているのか」といった個人の思いや物事の捉え方を明らかにする。例えば仕事への指向性は、「変化創造指向」「指揮管理指向」「分野明確指向」「自由奔放指向」「マルチ指向」「奉仕指向」「匠指向」の7つの観点で分析結果を示す。

 同社の主要顧客である、大手人材サービス会社では、エンゲージメント・サーベイを4年連続で実施。部門ごとにサーベイの結果を基にして、まずは「自部門にはどんな指向性の人がいるのか」を確認し、続いて「指向性の異なるみんなが満足するにはどうしたらいいか」を議論する。こうした議論を通じて、多様な価値観を認め合いながら、自分たちの会社らしさとは何かについての意識合わせを図り、その結果として仕事に対する意欲や創造力を高めているという。

 エンゲージメント・サーベイやそれに似た調査手法は、ギャラップ・オーガニゼーション・ジャパン(東京・中央区)、ヒューイット・アソシエイツ(東京・港区)、米ザ・グレート・プレイス・トゥ・ワーク(GPTW)インスティチュート日本法人(東京・港区)、米ワトソンワイアット日本法人(東京・千代田区)なども手がけている。

 もっとも、こうした調査をしても、「個々の従業員にとって働きがいとは何か。成長するとはどういうことか」を積極的に認め合う風土がなければ、単に調査結果を見て一喜一憂するだけになりかねない。エンゲージメント・サーベイを有効に活用するためには、OJT(職場内訓練)が形骸化していないかどうか、若手社員の悩みを正面から受け止められるベテラン社員はいるのかどうか、など幅広い視点で風土を見直す覚悟が必要になる。

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