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フレッツ大研究[解剖編]

第1回 NTT東のフレッツ網の特徴は?

宗像 誠之=日経コミュニケーション 2007/10/29 日経コミュニケーション

 NTT東西地域会社の「フレッツ」シリーズは,今や企業ネットの構築に欠かせないサービスだ。その基盤であるフレッツ網は,インターネット接続やWANサービスのアクセスだけでなく,エントリーVPNやコンテンツ配信,IP電話サービス「ひかり電話」など,多彩なサービスのインフラとしての役割を持つ。

 だが,一口に「フレッツ網」と言っても,それはNTT東西が個別に構築したもの。会社や競争環境,ポリシーなどが異なるため,その内部構造は東西で全く違う。ネットワーク構成の違いは,サービス仕様の違いとなる。利用する際には少々の注意が必要だ。

 実際に,一見似たようなサービスでも,東西で仕様が異なるケースがある。その一例が,FTTHサービスのブランド名の「Bフレッツ」。NTT東日本はこのBフレッツを主力のFTTHサービスとするが,NTT西日本が主に拡販しているFTTHは「フレッツ・光プレミアム」と呼ぶサービスだ。NTT西日本にもBフレッツはあるものの,もはや積極的に販売されておらず,ひかり電話が使えないなど,NTT東日本のBフレッツとはサービスのスペックが異なる。

 こうした東西のフレッツの違いは,企業ユーザーには分かりにくい。これが原因で企業の現場が混乱した,という事例は少なくない。

 そこで実際の取材で頻繁に耳にする,企業ユーザーが抱くフレッツに対する疑問点を徹底調査した。これだけ人気のサービスでありながら,NTT東西のサービス仕様の違いをはじめ,我々が知らないことは意外に多い。

 企業ユーザーがフレッツ網に対して抱く主な疑問とは,(1)NTT東日本とNTT西日本のフレッツ網は,どこがどう違うのか,(2)NGN(次世代ネットワーク)の登場で,現行のフレッツ網はどう変わっていくのか,(3)FTTHの接続端末台数の制限はいつまで続くのか,(4)電話網に比べて障害が多いのはなぜなのか──である。

 フレッツ網の導入をスムーズに進め,導入後に混乱しないために,これらの疑問点を以下で解き明かす。まずは,NTT東日本のフレッツ網の特徴から見ていこう。

一つの網にv4とv6が論理的に併存するNTT東のフレッツ

 NTT東日本のフレッツ網は,Bフレッツだけでなく,フレッツ・ADSL,フレッツ・ISDNのユーザーを収容する巨大なIPネットワークだ。IPv4アドレス(v4)を使うネットワークとIPv6アドレス(v6)を使うネットワークの二つが,論理的に併存している。

 ただ,v4とv6の論理ネットワークは同一のルーター網で構成されており,物理的には一つのネットワークである(図1-1)。インターネット接続事業者(ISP)への接続やフレッツ・オフィスなどのVPNサービスにはv4の論理ネットワーク,映像配信やテレビ電話などの利用の場合にはv6の論理ネットワーク──と,サービスによって論理ネットワークを使い分けている。

図1-1●NTT東日本のフレッツ網の全体像/図1-2●NTT東日本のフレッツ網の内部構成(アクセス回線がBフレッツの場合)
[画像のクリックで拡大表示]

 フレッツ網は物理的に,東日本エリアの17都道県ごとに構築した「加入者系」と呼ぶ網を,「中継系」のネットワークで“横つなぎ”している。もともとフレッツ網は,「地域IP網」として始まっており,当初は県内に閉じるネットワークだった。しかし,活用業務の認可によって県間通信が可能になった際に,県ごとの網を接続して広域化した経緯があるため,このような物理構成になっている。

 v4のルーティングは,中継系と加入者系で細かく管理エリアが区分けされており,中継系もブロック単位などで複数に分けられているもよう。どこかで障害が起こっても,一部エリアに局所化できる仕組みになっている。

 v6のルーティングのエリアも,中継系と加入者系で分かれているが,中継系のネットワークは北海道から首都圏まで,一つの管理エリアで構成されている。そのため,5月中旬のフレッツ網のトラブルは,中継網にある一カ所のルーターの経路変更が引き金になり,首都圏以外のv6ネットワーク全域に障害の影響範囲が波及。同じルーターで構成するv4のネットワークまで使えなくなるという大規模障害に陥った。NTT東日本は障害原因の一つとなった,ルーターの旧ソフトウエアをすべて新しいものにアップデートして,障害対策を完了した。現在はv6のルーティングのエリアを細かく分けていく作業に着手している。

収容局のスイッチがサービスを振り分け

 フレッツ網は,ISPに接続するアクセス,企業ユーザーのVPN網,マルチキャストによる映像配信インフラ──などの役割を果たしている。その要となる機器が,NTT東日本の加入者交換局(GC)に設置している「収容局装置」と呼ぶスイッチ。Bフレッツを通じてユーザー宅内から流れてくるトラフィックを,ISP接続やVPN,映像配信,ひかり電話──などのサービスごとに振り分ける(図1-2)。中継系ネットワークを構成する中継交換局(ZC)側には,それぞれのサービスに対応した機器が設置してある。

 v4のネットワークを使うISP接続で重要なのは,ユーザーのパソコンからのPPPパケットを「どのISP向けなのか」判断し,ISPとの相互接続点となる「網終端装置」に転送する機能。収容局装置がこの機能を搭載しており,接続先ISPを識別した後で,ZC側の網終端装置の間にトンネルを張り,PPPパケットを転送する。網終端装置は,ISPごとに用意されている。

 ISP接続のためのトンネルを実現する技術としては,当初はL2TPを使っていたようだが,「通信機器の機能や技術の変化によって変えていく」(NTT東日本の河野真之ブロードバンドサービス部担当部長)と明らかにはしていない。同様のトンネリングの仕組みは,企業向けのVPNサービスである「フレッツ・オフィス」を実現する際にも使っている。

 一方で,v6を使う映像配信のマルチキャストやテレビ電話,ファイル共有などのサービスには,トンネリングを使わない。v6によるサービスでは収容局装置とやり取りする中継局側の機器は,「IPv6用エッジ装置」と呼ぶルーターとなる。映像配信の場合はそのルーターから,「4th MEDIA」や「オンデマンドTV」など,映像配信サービスのためのサーバーと相互接続する。

 音声トラフィックには,VoIPゲートウエイから収容局装置までのアクセス回線部分でDiffservによるQoSをかけ,ISP接続や映像配信などのデータ通信のトラフィックよりも優先する。収容局装置から先は,ひかり電話用収容局装置へ転送され,フレッツ網とは別の「ひかり電話網」へと流れていく。ひかり電話収容局装置は,「ビジネスタイプ」と呼ぶ法人向けと一般ユーザー向けで異なる機器を置いている。これは,法人向けサービスには付加機能を提供するためである。

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