筆者:園田 誠=フリーライター/フリープログラマ

 自分で服や帽子を作り,自分のお店も作ってそこで他の人に売りたい---。そうすると,自分で自由になる土地が必要になってきます。そうした土地を入手するには,土地を借りるか,買うかする必要があります。どうするかはけっこう悩ましいところです。

土地の相場と購入方法

 プレミアム・アカウントになるとメインランド(運営会社のリンデンラボが管理する陸地)内に土地を購入する権利を得ます。土地は面積512平米までは月々の追加料金が発生しません。512平米を超えると面積にあわせて追加課金が段階的に課せられます。変動もあるのでいつまで使える情報かはちょっと怪しいのですが,512平米の土地の取引価格はL$5000代が中心です。

 ベーシック・アカウントでは土地は購入できませんが,誰か他のユーザーから土地をレンタルすることはできます。もちろんプレミアの人も他人からレンタルできます。レンタルした土地は最初に敷金を入れ,以後は管理者(オーナー)に対して月々家賃を支払います。日本人が集まる場所では日本円での支払いがメインで,月額1500~3000円程度の現金振り込み払いが主流になっています(図8)。

図8●土地を貸し出しているユーザーもいる   図8●土地を貸し出しているユーザーもいる
家賃は日本円で払えるようです。
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 土地の必然性がどれくらいあるのかというと,これはちょっと難しい問題です。たとえば自分のショップを持つということが目的であれば,たしかに土地は必要です。ただし販売そのものは土地ごと借りたり買ったりして行わなくても可能です。セカンドライフ中ではテナント・ビルがたくさんあって,小さな販売スペースだけを借りるという形態でも十分やっていけます。

 プレミアムにして月額9.95米ドルを払うと,これが約1200円。L$5500で土地を買うと約20米ドルになり,2000円前後です。この試算だとプレミアムにして512平米の土地を買った方がランニング・コストは抑えられるかもしれません。ただし,単純には比較できない要素として,レンタルは1024平米程度を貸してくれるというところでしょうか。セカンドライフでは土地に設置できるオブジェクト数(プリムといいます)の上限が決まっています。その地域に入り込んだときのネットワーク・トラフィックに直接関わるので,無制限というわけにはいかないのです。規制がある現在でも,オブジェクトが大量に設置されていると数秒間まったく画面が動かないなどの症状が出ます。こうした描画遅延をラグといいます。

 512平米を実際に購入して簡単な家を作ってみたんですが,適当な作業をしていると簡単にプリムが上限に達してしまいます。プリム数が上限になるとその土地にはそれ以上何も設置できず,その土地で新たに何かを作ることができなくなります。ふんだんにプリムを使いたい場合には広い土地が必要です。

 アバターは食事も入浴も睡眠も必要ではないので「家」という概念は不要です。そのあたりが判断の分岐点でしょうか。もちろん,まだ自分が望むものをガンガン作れるということではありませんので,売れるようなものを作れるかどうかを見てから,ゆっくり考えるというのがベストのような気がします。