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図解で学ぶネットワークの基礎:DHCP編

日経NETWORK

Lesson4:使い道や使う場所を広げるためのさまざまな工夫が施されている

2007/10/18
阿蘇 和人=日経NETWORK
出典:絶対分かる!ネットワークの基礎超入門  144ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 Lesson4では,DHCPのオプションとルーター越え技術を見ていく。DHCPは,接続に最低限必要な情報だけでなく,さまざまなオプション情報を指定できる。またDHCPは,本来はルーターを越えて使えないが,それができるようにDHCPリレー・エージェントというしくみも用意されている。

IPアドレス以外はオプション

 まずは,オプション情報から見ていこう。実は,オプション情報はDHCPにとってなくてはならないもの。IPアドレス以外の情報は,すべてオプションで設定することになっている(図4-1)。DHCPリクエストといったDHCPメッセージの種類もオプションで指定している。

図4-1●オプションを使うことでIPアドレス以外の設定も自動化している
図4-1●オプションを使うことでIPアドレス以外の設定も自動化している
DHCPメッセージ本体で割り当てるのはIPアドレスだけ。リース期間やデフォルト・ゲートウエイ,サブネット・マスクといった情報はオプションを使って割り当てる。  [画像のクリックで拡大表示]

 それぞれのオプションは,DHCPメッセージのオプション・フィールドという部分に収められる。オプションは指定する内容によってコードが決まっている。オプション・フィールドに必要な分だけ続けてコードと内容を指定する。

 オプション・コードは,正式に登録されたものだけで100種類以上。これらの中で,必ずといっていいほど使われるのは,サブネット・マスク,デフォルト・ゲートウエイ・アドレス,DNSサーバー・アドレス,リース期間である。Lesson3で出てきたIPアドレスの延長や再利用を要求するDHCPリクエストは,要求するIPアドレスをオプション情報として送信している。

 それ以外にベンダー独自のオプションもある。ベンダー・オプションに使えるコードの範囲はあらかじめ決まっている。例えばマイクロソフトは,Internet Explorer用のプロキシ・サーバーの情報を配布するのにベンダー・オプションを使う。

リレーを使って設定を一元管理

 最後にDHCPリレー・エージェントのしくみを紹介しておこう。DHCPリレー・エージェントは,別のネットワークにあるDHCPサーバーにDHCPメッセージを中継するしくみ。ルーターの機能として実装されているのが普通だ。なぜそんなものが必要なのだろうか。理由は,ブロードキャストで送られるメッセージはルーターを越えて別のネットワークに届かないから。DHCPのやりとりがうまくいかなくなってしまう(図4-2の(1))。

図4-2●リレー・エージェントを使えばほかのネットワークのDHCPサーバーから設定情報を受け取れる
図4-2●リレー・エージェントを使えばほかのネットワークのDHCPサーバーから設定情報を受け取れる
1台のDHCPサーバーで,複数のネットワークの設定情報をまとめて一元管理できる。  [画像のクリックで拡大表示]

 DHCPリレー・エージェントは,DHCPクライアントと同じネットワークにあって,別のネットワークにあるDHCPサーバーとのやりとりを中継する(同(2))。DHCPクライアントからブロードキャストで送られてくるメッセージをいったん受け取って,ユニキャストのIPパケットに直してDHCPサーバーに転送する。

 DHCPサーバーからの応答も,いったんDHCPリレー・エージェントが受け取ってDHCPクライアントに転送する。こうすれば,1台のDHCPサーバーで複数のネットワークに設定を割り当てられるようになるわけだ。

 DHCPリレー・エージェントには,ネットワーク管理者が対応するDHCPサーバーのIPアドレスをあらかじめ登録しておく。また管理者は,DHCPサーバーにもDHCPリレー・エージェントのIPアドレスと対応するネットワークを登録したうえで,各ネットワークの設定情報を登録する必要がある。

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