長谷 和幸(ながたに かずゆき)
アイテック情報技術教育研究所 主席研究員

 今回は,通信のしくみを考えるうえで最も基本的な知識と言える「通信プロトコルの階層化」について勉強しよう。「階層化」と言われると少し難しい気がするかもしれない。でも,「レイヤ」という用語は見慣れているだろう。今回取り組むのは,このレイヤに関する問題である。

今日の問題

問1 図は,FTP,IP,SNMP,TCP,UDPを用いたプロトコルスタック(プロトコルの組合せ)を表している。各プロトコルの関係が適切なものはどれか。ここで,図の上側は上位の層を表す。

(平成15年度秋期テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験の午前問30)

問2 IPv4のIPヘッダに含まれるものはどれか。

ア あて先MACアドレス

イ あて先ポート番号

ウ シーケンス番号

エ 生存時間(TTL)

(平成18年度秋期テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験の午前問22)

問3 シリアル回線で使用するデータリンクのコネクション確立やデータ転送を,LAN上で実現するプロトコルはどれか。

ア MPLS

イ PPP

ウ PPPoE

エ PPTP

(平成18年度春期テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験の午前問17)

問4 IPv6に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア IPv4でIPv6パケットをカプセル化して送ることを示すために,プロトコル識別子にIPv6のペイロードタイプを指定する。

イ IPアドレス長は128ビットに拡大されており,ヘッダ情報の誤り検出のためにチェックサムをもつ。

ウ ヘッダ情報には,IPv4でサポートしていたTTL(time to live)に相当するものはなく,通過するゲートウェイ数に制限はない。

エ ループバックアドレスは隣接ノードのアドレスであり,トラブル発生時の問題点の識別に使用することができる。

(平成16年度春期ソフトウェア開発者試験の午前問61)

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