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Excelレガシー再生計画

[識者の一言]「現場の要望を突き詰めたら、結局はExcelだった」

聞き手・構成は菅井 光浩=日経コンピュータ 2007/10/02 日経コンピュータ

宮森 勝彌
マイクロラボ
代表取締役

 「上手く説明できないけど、とにかく使いづらいんですよ。どうにかしてください」。

 お恥ずかしい話だが、受託開発したプログラムを納品した際、納品先の企業の担当者からこう言われた。しかも何度も。もう10年以上前の話だ。

 自分なりに工夫して使いやすいGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)のアプリケーションを開発したつもりだった。それでも現場で利用する担当者はなかなか受け入れてくれない。不満だと言われてしまえば、そのまま納品するわけにはいかない。GUIを改修するため、担当者と膝を突き合わせ、何が欲しいのか、どうすれば使いやすくなるのか、とことん議論した。

 「Excelみたいにならないの?」。

 担当者が発したこの一言でようやく分かった。担当者の要望を聞きながら、操作画面を一からデザインし、プログラムをスクラッチで開発したが、彼らが望んでいたのはExcelと同等の使い勝手だったのである。

 現在はますますこの傾向が強まっている。業務部門の担当者は、アプリケーションが使いやすいか否かを判断する際、普段重宝しているExcelと比較する。Excelで簡単にできることが、アプリケーションでできなければ“使いにくい”という評価を下す。仮に、開発したアプリケーションがExcelよりも優れていたとしても、「Excelみたいにならない」という点で評価が下がってしまうことすらある。

 現場の担当者がとりわけ評価しているExcelの主要機能のいくつかを手組みで実装しようと検討したこともあるが、すぐ諦めた。マイクロソフトが巨費を投じて開発し続けているアプリケーションの機能を、自力で作ること自体に無理がある。

 それからはプログラムを受託開発する際、Excelを極力組み合わせるようにした。Excelは、見方を変えれば、マイクロソフトが開発している巨大なサブルーチン・プログラムだ。これを使わない手はない。ひょんなことからExcelの活用法に気がつき、現場の担当者の要望を叶えられるようになった。

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