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[使う] 耐荷重/電源/空調設備は導入前にチェックしておく

 ブレードサーバーを導入・運用する前に,あらかじめ調査しておきたいのが機器を設置するサーバー・ルームの設備である。サーバーをハウジングするデータセンターや自社のサーバー・ルームの設備が制約となり,1台のラックにサーバー・モジュールをフル搭載できないケースがあるためだ(図1)。

図1●導入前に調べておきたいサーバー・ルームの三つのポイント
図1●導入前に調べておきたいサーバー・ルームの三つのポイント
外為どっとコムやインクリメントPは,ブレードサーバーを追加購入した際,データセンターの設備の制約により,当初予定していたサーバー構成が組めず対応を余儀なくされた

 外国為替のオンライン取引サービスを提供している外為どっとコムや地図サービス「MapFan」を提供しているインクリメントPは,この設備の制約に苦慮した。

 まず,問題となるのがサーバー・ルームの耐荷重である。最新設備を備えた一部のデータセンターは,1平方メートル(1ラック)当たり 1000kgのフロアの耐荷重を実現しているところもあるが,大半のデータセンターはフロアの耐荷重が300k~500kg以下である。実際,外為どっとコムがサーバーをハウジングしているデータセンターは,フロアの耐荷重が300kgだった。

 同社が利用している日本HPのBladeSystem c-Classは,サーバー・モジュールをフル搭載するとシャーシの総重量が150kg近くになる(単相200V電源時)。c-Classを格納済みのラックの空きスペースに,もう1台c-Classを追加導入したところ,「耐荷重の制限ギリギリになってしまった」(システム部 システム第3課廣瀬和由氏)。データセンターによっては,床下を補強するサービスを提供している。しかし同社のケースでは,そのフロアに直前までラック型サーバーやスイッチを置いていたため,床下を補強する作業時間が確保できなかった。結局,床下を補強しないまま一つのラックに2台のシャーシを格納したところ,「ラックのスペースにまだ空きはあるものの,2台のシャーシ以外は,これ以上何も搭載できない状態になってしまった」(廣瀬氏)。

200V電源が足りない

 フロアの耐荷重に加え,大きな制約となり得るのが200V電源の確保である。100V電源に対応したブレードサーバーも増えつつあるが,交流 /直流の変換ロスが少なくて済む200V電源を採用している製品が主流だ。ところが,100V電源の本数はふんだんに用意しているデータセンターでも, 200V電源の本数が限られているケースは意外と多い。

 外為どっとコムがブレードサーバーをハウジングしているデータセンターの場合,標準メニューとして100V電源は「1ラック当たりに2本ずつ」用意されている。一方,200V電源は「5ラック当たりに2本」と5分の1の本数しか用意されていなかった。

 同社は,100V電源を利用するラック型サーバーから,200V電源を利用するブレードサーバーに移行している最中のため,200V電源が枯渇する事態に直面した。同社に割り当てられた配電盤で利用できる200V電源の本数だけでは足りず,別の配電盤の利用されていない200V電源を確保する契約を結び急場をしのいだ。