「Puppy Linux 日本語版」のデスクトップ
「Puppy Linux 日本語版」のデスクトップ
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 軽量Linuxディストリビューションが注目を集めています。「SLAX」や「INSERT」などと同時に,“軽くて旧型パソコンでもさくさく動く”ようなLinuxディストリビューションを求めているユーザーに着目されているのが,「Puppy Linux」です。

 Puppy Linuxは,ハード・ディスクにインストールしなくても,CDから直接パソコンを起動して使えるライブCD(1CD Linux)の1つです。複雑なカスタマイズを施さなくても,128Mバイト以下のメイン・メモリー容量でも動作することから,古いパソコンにも向き,USBメモリーからの起動などにも適しています。

 「Puppy Linux 日本語版」(写真1)には5つの特徴があります。(1)豊富なアプリケーションを利用できること,(2)日本語化が進んでいること,(3)設定自体やユーザーが作成したファイルを自動的に保存できること,(4)ハード・ディスクなどにインストールしなくてもCD-ROMやUSBメモリーから起動してそのまま利用できること,(5)それにもかかわらず最小48Mバイトのメモリーでも動作すること──です。

 KNOPPIXINSERTなど,これら5つの特徴のうちいくつかを満たすものは存在しますが,すべてを満たすのはPuppy Linuxだけです。

 Puppy Linuxは,オーストラリアのBarry Kauler氏が開発しています。他のディストリビューションから派生したのではなく,フルスクラッチで開発したのだそうです。「PET」という独自形式のパッケージ・ファイルを扱うほか,ウインドウ・マネージャには「JWM」(Joefs Window Manager)を用いています。このKauler氏が開発する英語版に加え,日本語を含む多言語版が各ユーザー・グループによって公開されています。現時点での最新の開発版は,2007年8月14日に公開された「puppy-2.17.1-JP-IME.iso」です。

 日経Linux2007年10月号では,付録DVDに2007年7月に公開された安定版「2.16.1」のイメージを収録すると同時に,使い方(設定の保存方法,本体をUSBメモリーに保存する方法など)を紹介しています。