ワークスアプリケーションズは、少しアプローチが違う。同社の開発戦略は明解で、顧客から出された機能改善要望やカスタマイズは、次のバージョンアップ(年数回)のときに、すべて盛り込むというもの。新製品となる「COMPANY CRM」も同じで、細かいカスタマイズやテンプレートなどはどんどん取り込む。

 結果的に複数のユーザー企業のノウハウが詰まったCRMシステムに変化していくという筋書きだ。「他社のCRMパッケージ・ソフトが100くらいのテンプレートを用意するなら、1000以上のテンプレートを開発して、業務に合わないものはない、と思えるくらいに充実させたい」と同社の石島マネジャーは意気込む。

 ユーザーのニーズに沿った開発環境を提供するという意味では、セールスフォース・ドットコムのSalesforce、ネットスイートのNetSuite などのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型CRMは、ユーザー・インタフェースを変える程度のカスタマイズ機能ではなく、アプリケーションそのものを開発できる体制を整えた(表1)。

表1●主な統合型CRMパッケージ商品一覧
表1●主な統合型CRMパッケージ商品一覧
[画像のクリックで拡大表示]

 例えばSalesforceでは、Apexという開発言語を用意。これを公開し、ベンダーがSalesforce上で稼働するアプリケーションを開発しやすくした。加えて、こうしたアプリケーションをWeb上で購入できる仕組みも用意。同サイトでは、個人レベルで作ったソフトも公開できるが、「稼働テストを受けた上での公開が原則で、プログラミングの品質を問う」(セールスフォース)という。売れ筋ランキングまで分かる同サイトでは、現在、約500本のアプリケーションを公開している。