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ミクシィの衛藤バタラ取締役最高技術責任者 |
衛藤バタラ氏は、2004年2月にSNS(ソーシャル・ネットワーキング サービス)の「mixi」を立ち上げた人物。現在は、運営会社であるミクシィで取締役最高技術責任者を務める。
mixiの会員数は今年7月末時点で1110万人に上る。「当初から、日本国民全員に会員になってもらうことが夢だったが、正直言ってここまで成長するとは思わなかった」。サービスを提供するためのサーバーは当初2~3台だったのが、今では数千台になっている。
衛藤氏は、無料のオープンソースソフトウエア(具体的にはLAMP=Linux、Apache、MySQL、Perl)を駆使してmixiのシステムを1人で開発し、サーバーの設置などもこなしたという。今では自分でプログラミングをすることはないというが、30人強に増えた技術陣を管轄する役員として、ミクシィの技術戦略全般を取り仕切る。2007年4~6月期の売上高は21億4929万円(前年同期比2.4倍)、経常利益率は42.5%にもなった。低コストのシステムインフラによって、急成長と高利益率を支えている。
衛藤氏の旧名はバタラ・ケスマ氏で、インドネシア・スマトラ島出身。流暢な日本語を話し、母国語のインドネシア語、英語などにも堪能だ。1999年に留学のため来日し、小学生時代から始めたプログラミング技術を生かせるアルバイトを探した。検索エンジンで「パソコン アルバイト」というキーワードで検索し、偶然見つけたのがミクシィの前身であるイー・マーキュリー社だったという。笠原健治社長、片山正業取締役と出会い、3人で「日本で定着しているウェブ日記を軸にした新しいSNSを作ろう」と考えて作ったのがmixiだった。
mixiの会員数は爆発的に拡大し、ニュース、音楽、動画など機能も次々と増える。その分、サーバーの負荷も増大の一途だ。「当初から、規模の拡大を見越してシステムを設計した。今もその考え方を徹底している」。今や国民的インフラとなったmixiに障害が発生すれば影響は大きい。新機能投入とサーバーの負荷とのバランスには常に気を配っている。
経歴からは根っからの技術者に見えるが、「いい技術を作ればビジネスが生まれるというのが私の考え」と話す。IPA(情報処理推進機構)の「未踏ソフトウェア創造事業」で若手ソフトウエア技術者に対するアドバイザーを務めているが、「特にビジネスとして成立するかどうかについて助言している」という。
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