前回に引き続き,オフィス・ソフト「OpenOffice.org」からPostgreSQLを利用する方法を紹介する。ワープロ・ソフト「OpenOffice.org Writer」の文書に,PostgreSQL内のデータを差し込んでみよう。

 前回は,PostgreSQLとオフィス・ソフト「OpenOffice.org」を接続し,データベース・ソフト「OpenOffice.org Base」(以下,Base)からデータベース内のテーブルを閲覧した。また,簡単なフォームを作成する方法も紹介した。

 今回利用する「OpenOffice.org Writer(以下,Writer)」はワープロ・ソフトである。一見,PostgreSQLとは関係なさそうに思えるが,Writerで作成する文書でPostgreSQL内のデータを活用できると便利だ。例えば,案内状や年賀状への氏名や住所の差し込みなどである。その具体的な方法を説明しよう。

OpenOffice.org Writerを起動する

 OpenOffice.orgは多くのLinuxディストリビューションに含まれる。Linuxディストリビューションに含まれるものをそのまま使ってもよいし,「http://ja.openoffice.org/」のサイトにアクセスして最新版を入手して導入してもよいだろう。

 Linux上でWriterを起動するには,上部パネルからペンと紙の形をしたアイコンをクリックする,あるいはswriterコマンドを実行する。


$ swriter

 Fedora Core 5などでは,swriterコマンドが格納されているディレクトリに対して,実行コマンドを検索するサーチパスが設定されていない。そのため,フルパスを指定する必要がある。

 フルパスを知るためには,


$ su
# updatedb
# exit
$ locate swriter 
:
/usr/lib/openoffice.org2.0/program/swriter

を実行して,swriterコマンドが格納されているディレクトリを見つけ出す。続いて,


$ /usr/lib/openoffice.org2.0/program/swriter

のようにフルパスを指定して,swriterコマンドを実行しよう。

Writerの文書を用意する

 Writerが起動したら,データを差し込む文書を作成する。もちろん,既存の文書でも構わない。ここでは,Writerを用いて写真1に示した案内状を作成した。この案内状の左上に,本連載で毎回利用しているsampleデータベースのaddressbookテーブルから氏名と郵便番号,住所を読み出して差し込むようにする。

写真1●データの差し込みに用いる文書
写真1●データの差し込みに用いる文書
OpenOffice.org Writerを用いて,マラソンの練習会の案内状を作成してみた。
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