●名称:Momonga Linux 4
●提供元:Momonga Project
●URL:http://www.momonga-linux.org/
●対応機種:PC AT互換機,PowerPCなど

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 Momonga Projectは2007年8月19日,同プロジェクトが開発・提供する最新Linuxディストリビューション「Momonga Linux 4」を公開しました。Momonga Linuxは,先進的なパッケージ構成が特徴だった「Kondara MNU/Linux」の後継に相当する国産Linuxディストリビューションです。

 Momonga Linux 4では,「Pungi」および「livecd-tool」を利用して光学メディアから起動できるライブ版Momongaを作成できます(Pungiの具体的な使い方は,日経Linux10月号を参照)。また,仮想環境のOpenVZ用のカーネルも用意されています。

 Momonga Linux 4にはまた,3Dデスクトップ環境のCompizとBerylを統合した「Compiz Fusion」が収録してあり,デスクトップを回転させる,ウインドウを透明化する,などの特殊効果を利用できます。

 このほかMomonga Linux 4では,カーネル2.6.21が採用されています。また,統合デスクトップ環境の「GNOME 2.18.3」および「KDE 3.5.7」,Cライブラリの「glibc-2.6」,コンパイラの「gcc-4.1.2」などが採用されています。

 Momonga Linux 4では,複数のインストールISOイメージを提供しています。すべてのパッケージを含んでいる「Everything」は,5Gバイトと容量が大きいため2層式DVD-Rに書き込む必要があります。また,DVD2枚に分けて書き込めるイメージも用意されています。

 これらのほかに,GNOMEを採用した「GNOME版」,KDEを採用した「KDE版」も用意されています。さらに,CD-Rに収まるイメージの最小構成版も配布しています。加えて,DVDから起動可能な「Live DVD」,エミュレータのcoLinux上で動作する「coMomonga」も後日配布予定です。

 ここでは,Momonga Projectが公開しているGNOME版インストールDVD(PC AT互換機用)を用いた場合のインストール方法を紹介します。

 ちなみに,Momonga Linux 4のGNOME版インストールDVDは,日経Linux2007年10月号(9月8日発売)の付録DVD-ROMに収録されています。


インストールの前に

 インストール時にトラブルを避けるには,事前の準備が欠かせません。作業に取り掛かる前に次の7点を確認してください。

 (1)インストール作業の前に,DVD-ROMから起動するようパソコンのBIOSを設定します。また,Momonga Linux 4では起動フロッピのイメージは同こんされません。USBメモリーなど起動可能な大容量のメディアが使用できる場合は,DVD-ROM内の「\images\diskboot.img」イメージを書き込むことで,そのメディアからの起動が可能です。

 (2)WindowsとLinuxをインストールしておき,起動時に利用するOSを選択するマルチ・ブート構成にする場合は,あらかじめMomongaをインストールするための空きパーティションを用意しておく必要があります。空きパーティションは,GPartedやQTPartedなどのパーティション・ツールで確保できます。

 (3)特にWindowsパソコンにLinuxを追加インストールする際には注意が必要です。誤った手順により,ハード・ディスクの Windows側の領域を消去してしまう可能性があるからです。Linux専用のパソコンやハード・ディスクを用意して,そこにインストールすることをお勧めします。

 (4)マルチ・ブート構成にする場合は,あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったときにWindowsを起動するには,この起動ディスクが必要な場合があるためです。Linuxを削除してWindowsだけが起動するように戻すときには,ハード・ディスクの先頭領域にあるMBR(マスター・ブート・レコード)に,Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには,Windowsの起動ディスクを使って起動し,コマンド・プロンプトで「fdisk /mbr」を実行します。Windows XP/2000/Vistaの場合は,Windows回復コンソールを利用します。回復コンソールが起動したら,Windows 2000/XPの場合は「fixmbr」,Windows Vistaの場合は「bootrec /FixMbr」,「bootrec /RebuildBcd」の順に入力します。

 (5)使用するパソコンによっては,Linuxをインストールしただけでは利用できないデバイスがあります。例えば,TVキャプチャ・ボードや無線LANなどです。ベンダーなどがLinux対応ドライバを公開している場合があります。こうしたドライバのインストール方法については,ベンダーの Webページを参照ください。

 (6)Momonga Linux 4には多数のパッケージが用意されています。インストールの手順8で「オフィスとプロダクティビティ」「ソフトウェア開発」「Webサーバー」のチェックを外してインストールすることで容量を2Gバイト程度にできます。また,「今すぐカスタマイズする」でインストールするパッケージを独自に選択し直すことでさらに容量を減らすことができます。

 (7)3Dグラフィックスを提供するAIGLXを利用する場合は,対応したグラフィックス機能がパソコンに搭載されている必要があります。また,ATI製やNVIDIA製のグラフィックス・チップやカードの場合は別途ドライバをインストールする必要があります。