• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

ERPパッケージがなくなる日

第5回 残された2つの課題

島田 優子=日経コンピュータ 2007/09/07 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2007年6月25日号56ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

サービス化されたERPパッケージの導入が本格化するのはまだ先だ。これから解決すべき課題も多い。導入の前にこれらについて知る必要もある。

 複数の製品を組み合わせた際のライセンス費用はどうなるのか、サービスを組み合わせて構築したシステムの運用保守はどうなるのか、といったものが大きな問題として考えられる(図1)。

図1●サービス化したERPパッケージの導入に関する現状の課題
図1●サービス化したERPパッケージの導入に関する現状の課題

 少なくとも現時点で、「組み合わせ」を前提にしたライセンス体系を用意しているERPベンダーはない。ERPパッケージのすべての機能を利用するのと同じライセンス費用を支払わなければならない、というのが現状である。

 ERPパッケージには、年額でライセンス費用の10~20%程度の保守料が発生する。ERPパッケージをサービスして扱い、複数を組み合わせてシステムを構築する方法は、ライセンス面では高いものになる可能性が高い。

 この問題はベンダー各社が認識している。SAPは「日本市場への提供は未定だが、欧米ではESを利用するだけのライセンス体系を用意している」(SAPジャパンの上野陽示パートナー&マーケティング統括本部ソリューションマーケティングSAP NetWeaver担当部長)という。

 富士通の東 産業・流通ソリューション本部長代理も「価格体系は検討中。今後の方向としては、ユーザー数の多いSAPのライセンス体系に合わせることになるのではないか」と話す。

 コストに関しては別の問題もある。サービスの連携基盤への投資だ。

 長年にわたってSAPのR/3を使い続けてきた、セイコーインスツルのシステム子会社であるNTTデータアイテックの小林健造社長は、「ERPパッケージだけならともかく、社内にはほかのシステムもある。アプリケーションを組み合わせるということは、複数の基盤を組み合わせることになり、投資がかさむ」と危惧する。

 SAPやオラクルのERPパッケージをサービスとして利用するためには、基盤となる統合型のミドルウエアが必要である。動作させるハードや実際の導入費用などを合わせれば、数千万円以上かかる。インフォアのように基盤ソフトそのものを無償にしているERPベンダーもあるが、この点については解決のメドが立っていない。

運用は自社開発並みに複雑に

 サービスを組み合わせた際の、運用保守もまだ解答のない問題だ。

 複数ベンダーの製品を組み合わせて使うことになれば、各社が持つポリシーに従って保守を進めることになる。だがパッチの適用やバージョンアップの時期一つを取っても、パッケージごとに方法は異なる。

 SAPジャパンの松本マネージャーは、「運用にかかる手間は、パッケージ・ソフトよりも手作りのシステムに近いものになるだろう」とする。SAPやオラクルは、自社製品以外を含めたアプリケーションの運用支援ツールを持っているが、利用するには追加の費用がかかる。

 利用企業の負担を減らすためには、「アウトソーシングを活用するしかないのではないか」。長年にわたってERPパッケージを導入してきた住商情報システムの井川佳典エンタープライズ・ソリューション事業部Eパッケージ営業部部長はこう考える。「面倒で複雑な運用保守は外部に委託する。こうしなければ、本当にサービス化のメリットは出ない」(同氏)からだ。

ERPはこうサービス化している

 業務処理機能の巨大な塊であるERPパッケージをサービスとして扱えるようにするために、ERPベンダーは以下のような技術を利用している。

 まずWebサービスを利用して、アプリケーション間で連携できるようする。これには大きく2つの方法がある。1つはサービス間で通信するメッセージの書き方を定めたプロトコルの「SOAP(Simple Object Access Protocol)」と、サービスのデータ定義や処理を記述する「WSDL(Web Services Description Language)」を用いるもの。ともにXMLを利用している。もう一つは、メッセージの連携プロトコルにHTTPを用いる方法。「REST(REpresentational State Transfer)」と呼ばれる。RESTはSOAP+WSDLに比べて簡単だが機能面の制約が大きい。

 サービスを登録し公開するためのディレクトリには「UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)」という技術を使う。

 これらの技術を前提に、会計、販売など業務プロセスごとにモジュールとして提供していたERPパッケージの機能を、ある一定の業務単位で再定義する。これが「サービスの粒度を決める」である。業務のあり方は企業ごとに異なるため、どんな業務を1まとまりのサービスとするかの定義はない。パッケージ・ベンダーによってもサービスの定義は異なる。

あなたにお薦め

連載新着

連載目次を見る

今のおすすめ記事

ITpro SPECIALPR

What’s New!

経営

アプリケーション/DB/ミドルウエア

クラウド

運用管理

設計/開発

サーバー/ストレージ

クライアント/OA機器

ネットワーク/通信サービス

セキュリティ

もっと見る