経営とITサイトと日経BPコンサルティングは、「経営とPC」をテーマにしたアンケート調査を実施した。経営改革やPC利用に関して、管理職や一般社員といったユーザー部門と情報システム部門の意識の差を探ることが目的である。調査結果について、数回にわたり、報告する。

本調査では、パソコンに限定せず、情報化全体に関する考え方や投資動向についても調べた。今回は、「あなたの勤務先の情報システム担当部門にとっての課題はどのようなものですか」という質問への回答を紹介する。11項目の課題候補を提示し、それぞれに優先度が高いかどうかを尋ねていった。「優先度の高い課題」の比率によって、並べると次のような結果になった。

(1)セキュリティへの対応(41.3%)
(2)経営的視点に立ったシステム提案(20.1%)
(3)現場のシステム・ニーズへの対応(19.7%)
(4)情報システム部門全体の業務効率化(17.0%)
(5)システム開発のスピードアップ(16.4%)
(6)システム運用負荷の増大(10.6%)
(7)ISOなど業務標準化への対応(9.9%)
(8)IT資産管理への対応(7.6%)
(9)ユーザー管理負荷の増大(7.1%)
(10)業務のアウトソーシング(6.8%)
(11)TCOの算出、極小化(6.3%)

 今回の調査の随所において、セキュリティ対策を重視する姿勢が見られる。それ自体は悪いことではない。しかし、「経営的視点に立ったシステム提案」や、「現場のシステム・ニーズへの対応」という情報化の本来の仕事をはるかに引き離している結果を見ると、いささかバランスを欠くと言わざるを得ない。このバランス次第で、経営に貢献する情報化ができるかどうかが左右されよう。