経営とITサイトと日経BPコンサルティングは、「経営とPC」をテーマにしたアンケート調査を実施した。経営改革やPC利用に関して、管理職や一般社員といったユーザー部門と情報システム部門の意識の差を探ることが目的である。調査結果について、数回にわたり、報告する。

 勤務先で導入するパソコンを選ぶ際に重視する点は何か。15項目を列挙し、重視する順に3項目を選んでもらった結果、もっとも重視する点は「処理性能の高さ」であった。回答者の62.2%がこの項目を選んでいる。以下、「故障、障害の少なさ」(44.1%)、「価格性能比の高さ(コストパフォーマンス)」(37.0%)、「購入時の価格の安さ(絶対金額)」(36.6%)、「セキュリティ機能」(33.0%)」という順序になった。

 この結果自体には特に目立つ点はないが、管理職、一般社員、情報システム担当者に分けて結果を見ると、3者ごとに重視する点が異なっていることが分かった。3者とも第1位は「処理性能の高さ」であったが、従業員数500人以上の企業で比較すると、一般社員の66.8%、管理職の57.3%が処理性能の高さを望んでいるにもかかわらず、情報システム担当者でそれを希望したものは49.3%にとどまった。

 管理職、一般社員、情報システム担当者が2番目に重視するとした点は、いずれも異なる。管理職は「セキュリティ機能」、一般社員は「故障、障害の少なさ」、情報システム担当者は「購入時の価格の安さ(絶対金額)」を2番目に重視するとしている。本調査でこれまで見てきた通り、管理職はとにかく安全に使うことを、一般社員はもっともっと使うことをそれぞれ期待しているが、情報システム担当者はとにかく安いパソコンを買うことを気に掛ける、という構図である。

 特に、セキュリティ機能を巡っては、管理職と情報システム担当者の重視度合いがかなり異なる。従業員100人~499人の企業の管理職は40.4%が、同500人以上の企業の管理職は47.1%がセキュリティ機能を重視すると回答した。これに対し、情報システム担当者を見ると、セキュリティ機能を重視したのは、従業員100人~499人の企業の場合20.3%、同500人以上の場合28.7%にそれぞれ留まった。

 もちろん、情報システム担当者がセキュリティ機能を軽視しているわけではないだろう。PC購入時にはさほど重視していない、すなわち、セキュリティはPCの機能だけでは守れない、とシステム担当者が考えているためと見られる。