経営とITサイトと日経BPコンサルティングは、「経営とPC」をテーマにしたアンケート調査を、管理職、一般社員、情報システム担当者の三者に対して実施した。回答者総数は2084人、内訳は管理職が600人、一般社員が1003人、情報システム担当者が481人。経営改革やPC利用に関して、管理職や一般社員といったユーザー部門と情報システム部門の意識の差を探ることが目的である。調査結果について、数回にわたり、報告する。

 企業はなぜPCを購入するのか。「来年度のパソコン導入に影響を与えると思う要因をすべて選んでください」という質問の結果、第1位は「パソコン買い換え時期の到来(買い換えサイクル)」であった。63.1%の回答者がこれを理由に挙げている。第2位は「人員の拡大」で,43.8%となった。

 以上の二つがPC買い換え理由の二強であり、3位以降はかなり回答数が減る。第3位は「Windows Vistaへのリプレース」(29.8%)、第4位は「既存情報システムの更新、リプレース」(18.2%)であった。以下、「会社全体の情報化投資の活発化」(17.9%)、「会社全体の業績向上」(16.7%)、「モバイル環境の導入・拡大」(15.8%)と続く。

 企業向けには2006年末,個人向けには2007年1月に、Vistaの出荷が開始された。一つ前のOSであるWindows XPは2001年に登場したから、すでに6年が経過しており、2008年にはXPの販売が終了する。しかし、本調査結果を見る限り、Vistaを買うためにPCを買うというより、PCのリプレース時期が来たら、その時のOSがたまたまVistaだった、ということのようだ。

 こうしたPC導入に関する、ある種の消極性は、「モバイル環境の導入・拡大」や「新規情報システムの導入」(12.5%)、「在宅勤務などワークスタイルの多様化」(6.4%)といった,パソコンを有効に活用しようという「攻め」の購入理由を挙げた回答者が少ないことにも現れている。

 回答を企業規模別に見ると,特に顕著な差が出たのは「会社全体の業績向上」と「通信インフラの刷新」である。「会社全体の業績向上」を挙げた回答者は企業規模が499人未満の方が多く,500人以上の企業では「通信インフラの刷新」を挙げた回答者が多かった。

調査概要
調査名:「パソコンの利用とIT環境に関する調査」。調査時期:2007年7月3日~10日。調査方法:Webサイトによるアンケート。調査対象:日経BPコンサルティングが保有するモニター。回収状況:総回収数2328件、有効回答数2084件。回答者の平均年齢は44.4歳。勤務先業種は、製造業が37.2%、ソフト・情報処理が13.9%、SI・コンサルが9.3%、商社・卸売・小売が7.0%。