経営とITサイトと日経BPコンサルティングは、「経営とPC」をテーマにしたアンケート調査を、管理職、一般社員、情報システム担当者の三者に対して実施した。回答者総数は2084人、内訳は管理職が600人、一般社員が1003人、情報システム担当者が481人。経営改革やPC利用に関して、管理職や一般社員といったユーザー部門と情報システム部門の意識の差を探ることが目的である。調査結果について、数回にわたり、報告する。

 2084人の回答者は勤務先で使用しているPCについてどう評価しているのか。全体評価を聞くと、「満足」が9.6%、「まあ満足」が53.7%、「どちらともいえない」が15.5%、「やや不満」が16.0%、「不満」が4.8%となった。管理職、一般社員、情報システム担当者のいずれも、こうした傾向であった。ただし、一般社員のほうが「不満」「やや不満」と答えた率が高かった。一般社員は管理職より若いはずであるから、パソコンに慣れた若手の中に、利用しているPCに満足していない層がいる、ということになる。

 機能別の評価項目について、「不満」「やや不満」と答えた回答者が多かった順に並べると、(1)処理スピード、(2)OS(基本ソフト)やセキュリティソフトのアップデートの手間、(3)機能の豊富さ、(4)故障・不具合の少なさ、(5)セキュリティ対策、となった。

 回答者別に見ると、一般社員においては、「処理スピード」に「不満」ないし「やや不満」と答えた率が管理職や情報システム担当者より多かった。また、一般社員における結果は、(1)処理スピード、(2)機能の豊富さ、(3)OS(基本ソフト)やセキュリティソフトのアップデートの手間、(4)故障・不具合の少なさ、(5)セキュリティ対策となっており、「機能の豊富さ」への不満が、アップデートの手間を上回った。

 注目されるパソコンの買い換え希望であるが、「すぐにでも替えて欲しいと思う」が15%、「できれば替えて欲しいと思う」が50%、「替えて欲しいと思わない」が34.8%という結果になった。「すぐにでも」と「できれば」を合わせると、65%が買い換えを希望している。ここでも「すぐにでも」と答えた率は一般社員が高かったが、これは「従業員数500人以上の企業の一般社員」の19.5%が、そう答えたからである。規模の大きい企業の一般社員がPCの買い換えを求める率が高いことになる。

調査概要
調査名:「パソコンの利用とIT環境に関する調査」。調査時期:2007年7月3日~10日。調査方法:Webサイトによるアンケート。調査対象:日経BPコンサルティングが保有するモニター。回収状況:総回収数2328件、有効回答数2084件。回答者の平均年齢は44.4歳。勤務先業種は、製造業が37.2%、ソフト・情報処理が13.9%、SI・コンサルが9.3%、商社・卸売・小売が7.0%。