写真1 INSERTのデスクトップ画面。
写真1 INSERTのデスクトップ画面。
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写真2 ウィルス対策ツールの「AntiVirus Scanner」。最新のパターン・ファイルをネットワークを介して入手可能。
写真2 ウィルス対策ツールの「AntiVirus Scanner」。最新のパターン・ファイルをネットワークを介して入手可能。
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写真3 INSERTのブート画面。「insert lang=ja」と入力すると起動が開始される。
写真3 INSERTのブート画面。「insert lang=ja」と入力すると起動が開始される。
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 日経Linux2007年9月号の付録DVDには,7種類もの「ライブCD版Linux」(1CD Linuxともいいます)を収録しています。収録したライブCDの中からいくつかをピックアップして,その特徴と簡単な使い方を紹介します。

 INSERT(Inside Security Rescue Toolkit)は,パソコンのリソース(メイン・メモリー容量やプロセッサの処理性能など)が少なくても動作するライブCDです(写真1)。独Inside Security IT Consulting社が開発および配布をしています。配布しているCDイメージのサイズは約60Mバイトと小さく,8cm CD-Rにも書き込めます。さらに,動作に必要なメイン・メモリーの容量も64Mバイトと比較的少なくて済みます。

 INSERTはなるべく軽快に動作するよう,高機能なGNOMEやKDEではなく,シンプルなウインドウ・マネージャの「Fluxbox」を採用しています。また,日本語の表示や入力にも対応しています。

 INSERTはレスキュー用途やネットワーク管理に特化しています。そのため,ファイル・マネージャの「Midnight Commander」,パーティションを操作する「GParted」,パーティションをバックアップする「Partimage」,EXT3ファイル・システム上にあるファイルを復活する「gtkrecover」,ネットワーク・トラフィックを監視する「iptraf」,高機能のポート・スキャン・ツール「Nmap」が搭載されています。

 さらに,ウイルス対策ツールの「AntiVirus Scanner」でウイルス検知も行えます(写真2)。AntiVirus Scannerでは,パターン・ファイルをネットワークを介して入手することができ,最新のパターン・ファイルを用いてウイルス検知を実行できます。

 これらの管理系ツールのほかに,Webブラウザも搭載しています。標準で「dillo」が利用できます。Firefoxを導入して利用することも可能です。デスクトップ上で右クリックして表示されたメニューから[Extensions]-[Install/start Mozilla-Firefox?]を選択すると,自動的に必要なパッケージをダウンロードしてインストール作業が実行されます。

 INSERTを起動するには,起動CD-ROMをドライブにセットしてパソコンを再起動します。すると,ブート画面が表示されます(写真3)。ここで,「insert lang=ja」と入力すると,INSERTの起動が始まります。しばらくすると,INSERTのデスクトップ画面が表示されます。

 なお,INSERTの詳しい導入方法と使い方については,日経Linux2007年9月号特集2「休眠PCを再生しよう」で紹介しています。