日本の国際力ランキング低下は、単純な理由によるものではない。日本を蘇生・再生するには、抜本的なメスが必要といえるだろう。それには何が必要か。企業経営者の、そして企業人一人ひとりの意識改革ではないだろうか。ここまで下がった順位を引き上げるには、「そこそこの小さな成功」を狙うのではなく、「一攫千金の大成功」を目指すことが求められる。

 コスト削減だけでは、会社も日本も生まれ変われない。新たな価値をいかに創造するか、この視点から日本の国力を向上する必要がある。「守りの経営」から「攻めの経営」へ――日本企業が、そして日本の産業界全体が舵を切ることができるのか、大きな転機を迎えている。

目次

第1回 沈むニッポン、国際競争力24位という現実から脱却できるのか 
第2回 世界から立ち遅れる日本のIT投資マインド、これでグローバル競争に勝てるのか 
第3回 生産性向上のツールであるはずのITが、なぜコスト削減の対象と見られるのか 
第4回 CIOの関心事はコンプライアンス問題、内向きなIT投資の先に未来はあるのか 
第5回 シンクライアントを考える --- ユーザー部門の生産性を犠牲にしてはいないのか 
第6回 仮想化を考える --- IT基盤の再設計で、過去の負の資産を払拭できるのか