筆者:園田 誠=フリーライター/フリープログラマ

 セカンドライフでのコミュニケーションの基本はチャット(文字会話)になります。下部メニューの「チャット」をクリックすると入力窓が出ます(図11)。入力後に「発言」または「叫ぶ」で発言します。発言ボタンを押すと,自分の周囲にいる人に,叫ぶボタンを押すと,発言ボタンよりも少し離れた場所まで自分の発言が届きます。発言の場合はボタンを押さなくても,テキスト入力後にそのままEnterキーを押しても同じことになります。
図11●</b>チャットの発言は自分の近隣に届く
図11●チャットの発言は自分の近隣に届く
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英語で話しかけられることが多い

 チャットでは日本語も使えます。ただし日本語圏以外の人はOSに日本語フォントがないので,日本語のチャットが見えなくなります。該当言語のフォントがない場合,セカンドライフでは文字化けではなく「・・・」のように表示されるようです。日本人がアラビア語や韓国語,中国語のプレイヤーの発言を見たとき(該当フォントがインストールされていなければ)も「・・・」のように表示されます。英語(半角アルファベット)は,どのOS環境にも入っているので問題なく表示できます。多国籍な場所では英語が公用語であるという点は,現実世界もセカンドライフも変わりません。

 もうひとつ「IM」という機能があります。IMはInstant Messageの略です。MSNメッセンジャやYahoo!メッセンジャーと同様に,フレンドとして登録した人を対象としたクローズドなチャットです。IMはフレンド登録している人がオンラインであれば,距離に関係なくチャット・メッセージを送れます。

 セカンドライフには他のMMOのように言語別に個別サーバーが用意されていません。全員が同一サーバー(接続先という意味です。仮想世界をシミュレートするハードウエアは複数台あるはずです)に接続することになります。ここに世界各国のユーザーがログインしていますので,セカンドライフ内では英語で話しかけられることが多くなります。操作の練習までは日本語で面倒を見てくれますが,本番になったらそうはいきません。セカンドライフに参加している人は日本人だけとは限りません。むしろ,英語圏の外国人の方が多いでしょう。

 MMOというものは,他人とコミュニケーションを取るのが苦手な方にはちょっと厳しいものです。誰かに話しかけられたら,できる限り返答をする習慣をつけて,コミュニケーションの輪を広げていかないと,続けていく動機が薄くなって,モチベーションが下がってしまいます。

話しかけられたらゆっくりでもいいから返答しよう

 私も含めて日本人の大半は英語が得意ではありません。しかし,セカンドライフでは突然英語で話しかけられることがよくあります。何かしらのオブジェクトやスクリプトを作って公開する場合にも,相手の多くは日本語が通じないユーザーであると思った方が良いでしょう。ここでひるまずに,ゆっくりでもいいから何とか返答を返すようにしましょう。そうすれば,セカンドライフ内で友達が少しずつ出来るはずです。

 セカンドライフにはボイスチャット機能も実装されています。ボイスチャットは文字通りアバター同士が音声でチャットをする機能です。周囲でボイスチャットをしている人たちがいれば,その会話も聞こえてきます。ボイスチャットの利用にはマイクとスピーカーやヘッドフォンが必要です。ヘッドセットと呼ばれるヘッドフォンとマイクが一体になっている物が使いやすいでしょう。

 そして,英語が苦手な方にこそ,この機能はお薦めだと思います。テキスト・ベースのチャットでも,ボイスチャットでも,英会話の練習だと思って外国人に積極的に話しかけてみてはいかがでしょうか。外国語というものは,とにかく話し始めないといつまで経っても話せるようにはならないものですから。

園田 誠(そのだ まこと)
フリーライター/フリープログラマ。1965年愛知県生まれ,多摩美術大学卒業。美術大学卒業後,大工やコンビニエンス・ストア店長,写真店店長,バイク便ライダーなど,美術ともITともまるで縁のない業界を渡り歩いて,35歳で突如ライターデビュー。日経ソフトウエアを中心に執筆活動をするかたわら,最近ではWeb/DBプログラマとしてアイドルの公式携帯サイト,政府外郭団体,証券会社,大学のシステムなども構築。言っていることはちゃらんぽらんだが,やってることは意外に堅実。現在の目標は反抗期の子供に尊敬される父親になること。http://www.japan.xitami.net/