固定電話でも携帯電話でも,相手に電話番号を通知するかどうかを選べるというのはご存知ですよね? でもIP電話では,非通知で電話をかけたつもりなのに,相手に番号がばれてしまう可能性があるそうです。

 本来なら,非通知にすると相手にはこちらの電話番号が絶対にわかりません。非通知にすると,着信者の電話機まで電話番号が届かないからです。電話の発信者と着信者は電話交換機を経由してつながりますが,NTTの加入電話の場合は発信側がダイヤルすると,交換機の間で通知・非通知にかかわらず発信側の電話番号を送っています。ただし交換機は,「非通知」という情報が届くと,発信者の電話番号を着信者に通知しないようにします。

 ところが,IP電話では少し事情が変わります。IP電話では電話交換機の代わりに,「SIPサーバー」という装置が,発信者の電話番号を相手側に伝えたり伝えなかったりする役割を担います。「非通知」でかけると,発信者電話番号のところは「anonymous」(匿名)となるので,着信側には発信者の電話番号がわかりません。

 ところが,特に法人向けのサービスなどIP電話サービスによっては,SIPの別のヘッダー情報に発信者番号を入れる場合があります。この場合に別ヘッダーに書かれている発信者番号を見ると,「非通知」で電話をかけていても,相手に電話番号がわかってしまうのです。

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